先月の講座のテーマは、酒の神バッカスに関係する音楽。まずバッカスの生い立ちを説明し、なぜ彼が酒の神として崇められるようになったのかを、古代ギリシャの詩人ヘシオドスの『神統記』をもとにお話ししました。
バッカスは言うまでもなくギリシャ神話におけるディオニュソスのこと。全知全能の神ゼウスはテーバイの王女セメレー(人間)を身籠らせます。ところがゼウスの正妻であるヘーラーはセメレーを憎み、ゼウスの雷光の力を利用して焼き殺してしまう。
その時、セメレーの胎内にはディオニュソスがおり、ヘーラーはその胎児までをも殺そうと企みます。しかしその企てを察知したゼウスは先回りしてヘルメースに焼死体から胎児をとりあげるよう命令。そして自身の腿に隠して臨月まで育てる。
無事誕生したディオニュソスであったが、ヘーラーの怒りは収まらず、彼女から逃れるため、エジプトやシリアなどで長い間放浪の旅を続ける。そうした生活の中で学んだのがブドウの栽培法とワインの製造法。その製法を民衆に伝えたことでディオニュソスは彼らの支持を得るようになります…。
まあ、『神統記』ではそのような記述になっているんですが、後世の画家には『神統記』を読まずに描いてしまった人もいるようです。その一例が次の作品(クリックで拡大できます)。
ちょ、いくら神様でも赤ん坊の頃からの飲酒はないやろ。しかもラッパ飲み…て。飲みながら同時に小便も垂れ流しとるし。
これはバロック時代に活躍したイタリアの画家グイード・レーニ(1575-1642)が1623年に描いた『飲酒するバッカス』ですが、赤ん坊のバッカスはまだワインの製造法は知らなかったはず。おそらくこれはレーニが想像したバッカス(ディオニュソス)のイメージなのでしょうが、それにしてもこれは…うーん。
バッカスは言うまでもなくギリシャ神話におけるディオニュソスのこと。全知全能の神ゼウスはテーバイの王女セメレー(人間)を身籠らせます。ところがゼウスの正妻であるヘーラーはセメレーを憎み、ゼウスの雷光の力を利用して焼き殺してしまう。
その時、セメレーの胎内にはディオニュソスがおり、ヘーラーはその胎児までをも殺そうと企みます。しかしその企てを察知したゼウスは先回りしてヘルメースに焼死体から胎児をとりあげるよう命令。そして自身の腿に隠して臨月まで育てる。
無事誕生したディオニュソスであったが、ヘーラーの怒りは収まらず、彼女から逃れるため、エジプトやシリアなどで長い間放浪の旅を続ける。そうした生活の中で学んだのがブドウの栽培法とワインの製造法。その製法を民衆に伝えたことでディオニュソスは彼らの支持を得るようになります…。
まあ、『神統記』ではそのような記述になっているんですが、後世の画家には『神統記』を読まずに描いてしまった人もいるようです。その一例が次の作品(クリックで拡大できます)。
ちょ、いくら神様でも赤ん坊の頃からの飲酒はないやろ。しかもラッパ飲み…て。飲みながら同時に小便も垂れ流しとるし。
これはバロック時代に活躍したイタリアの画家グイード・レーニ(1575-1642)が1623年に描いた『飲酒するバッカス』ですが、赤ん坊のバッカスはまだワインの製造法は知らなかったはず。おそらくこれはレーニが想像したバッカス(ディオニュソス)のイメージなのでしょうが、それにしてもこれは…うーん。
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