ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

はい、そうします

2006-10-19 05:33:08 | 脳みその日常
上野へ演奏会を聴きに行ったついでに以前から気になっていた店を探す。浅草にある小さな店だが、名称がふるっている。

「伊太利屋風居酒屋 たべるな」!!!!

もうね、すごいわけですよ。何がすごいって、まず伊太利「屋」ですから…。外国の名前や地名を漢字にする場合、たいていは決まった表記があるわけですよ。たとえばアメリカなら亜米利加、ロンドンなら倫敦ってな具合に。こうした表記を決めたのはおそらく明治時代のエラーイ先生たちだったのでしょう。その例に倣えばイタリアは伊太利亜と書くのがフツーなのだ(漢字表記は「伊太利」とされることもある)。

ところがこの店は「伊太利屋」なわけですよ。なんでだろーなーと少し考える。ほぅ、なるほど、ここのオーナーはイタリアではなくイタリ「ヤ」と思ったんだろうね。だから伊太利亜ではなく伊太利「屋」なんだろうな。あくまで想像だけど…。

それ以上にキョーレツなのは食べ物を扱う店なのに店名が「たべるな」ですよ!飲食をしに来たら、食うな!ってどーゆーことよ。今それなりに知られているギャグを引用すれば、「ちょっと!、ちょっとちょっと!」(ザ・たっち)ってなところか。

実はこの店名には、ちゃんと理由がある。ひらがなで書くと「食べるな!」というイメージであるが、イタリア語表記だと「Taverna」となる。これは俗語で居酒屋とか軽食堂という意味。ま、アルファベットを厳密にカナ表記するなら「タヴェルナ」なのだろうが、そこはまあNHKが相変わらずヴィヴァルディをビバルディと表記するようなもの。許してあげようぢゃないか。

でもさ、考えてみれば店名が居酒屋という意味なのにサブタイトルにも居酒屋とあるのはどうも解せん。まるで「頭痛が痛い」と同じく畳句ではないか!いやいや、待てよ。似たようなパターンがあるぢゃないか。たとえばエーザイの「ザーネクリーム」がそう。何も疑わなければ「へぇ~、そういう名前の商品なのかぁ」と思ってしまう。

しかしですよ、よくよく見てみればザーネ(Sahne)ってのはドイツ語でクリームの意味。つまり意味だけで言えばザーネクリームは「クリーム・クリーム」ということ。なんだかなー、うっかりキャンディ・キャンディなどという昔のアニメを思い出してしまったではないか!(笑)ま、そんなこんなで、大手企業の商品にすら畳句になっているものがあるんだから、これも許してあげよう。

最後に、些細なことだが「たべるな」の「な」の文字の一部が申し訳なさそうにめくれている点に注目。いいねえ、細かいことにこだわらない下町の気質って感じでさ。ちなみに看板では店名がひらがなだが、のれんには「汰鐘奈」とある(鐘…これをベルと読ませるとはまた強者だな)。

で、実際にここで食べたのかって? いえいえ、たべるなと言うんだから、もちろん食べませんでしたよ(笑)でも、ネットで検索してみたらここのご主人はイタリアで修行されたらしく、ピザの生地やパスタは手打ちなんだとか。よしよし、そのうち突撃して「たべるな」と言われようと食べてやる。
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