ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

名称の由来は何かな…鍔市ダム

2022-09-11 07:04:12 | 兵庫(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は兵庫県丹波篠山市火打岩(たんばささやまし ひうちわん)にある加古川水系の鍔市(つばいち)ダムを訪れます。アクセスは県道301号沿いの「鍔市ダム→」の看板のあるところを入って行くと到着します。

さて、鍔市ダムの名称の由来はわからないんですが、地名の「火打岩」の由来については興味深い情報を見つけました。どうやら昔、この辺りでは珪石(けいせき)を採掘していたそうな。珪石はガラスや半導体の原料になるばかりでなく、その主体は火打ち石としても利用された石英なので、火打ち石になる岩が採掘できる場所というところから火打岩と呼ばれるようになったようです(参考)。

でも「火打岩」の読み方はなぜ「ひうちわん 」なんでしょうか。おそらくこれは古語の表記に関係があると思われます。つまり「岩」は現代の音読みだと「がん」ですが古語表記では「ぐわん」となります。それを踏まえて「火打岩」を古語表記すると「ひうちぐわん」となるわけですが、実際に声に出してみるとわかりますが、「ぐ」が「わ」に吸収される感じになって「ひうちわん」に聞こえます。その聞こえ方が今日定着したためそう読むようになったのではないと推測されます。もっとも、「ひうちわん」とタイプすると「火打岩」と一発で変換されたりするんですけどね。

まあ、そんなこんなで鍔市ダムが見えてきました。あれですね。



右岸に到着です。その奥には取水設備の小屋。



小屋の壁には水利使用標識が貼られています。



鍔市ダムの概要が書かれた案内板。昭和46年(1971年)11月に完成した農業用ダムだそうです。



そこからダムを見ると、こんな感じ。



右岸から見たダム上。車両通行可。



注意を促す看板。一番上の文字に注目。「鍔市太郎漁業組合」と書かれています。ん?もしかして鍔市というのは鍔市太郎さんという人がいて、その人の功績を称えて鍔市ダムと命名されたのかな?どうなんでしょうね。



洪水吐は右岸側にあります。増水すると水はここから溢れ出て、



この水路を通ってあちらへ流れてゆきます。



洪水吐の水路に架かる橋を渡ったすぐそこには小さな石碑が。「浮寝鳥 ツバ市ダムの 今朝の春」と刻まれています。昭和51年(1976年)元旦とも記されていますが、これは何を意味するものなんでしょうか。



その裏側には「昭和60年5月 火打岩建之」。もちろん火打岩の人たちがこの石碑を建てたのでしょうが、建立者が地名で示されるのは珍しいように思います。


ダム上、中央から見た貯水側の景色。



一方、下流側はこんな感じ。



対岸(左岸)に来ました。振り返るとこんな景色。



左岸から見た貯水湖の様子。



左岸、貯水側から見たダム上。



左岸から下流側を見ると、こんな感じ。



右岸へ戻り、その奥の「鍔市自然公園」へ続く道を少し進むと「岳水潤美田」と刻まれた石碑があります。文字通り訳せば「山岳から流れて来た水は肥沃な田地を潤す」となります。



その下部には鍔市ダムと、県営鍔市地区圃(ほ)場整備事業に関する説明が書かれています。


どうやらこの石碑は県営鍔市土地改良事業が竣工した記念に建立されたもののようですね。昭和57年6月建立。


それにしても「鍔市」の由来が気になります。
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