ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

2つの言葉

2009-06-20 05:15:24 | 脳みその日常
同じ意味のように思えても、微妙にニュアンスの異なる言葉ってありますね。たとえば、

「おひとよし」と「ひとがいい」

それぞれの語は辞書では次のように定義されています。

「おひとよし」
・気がよくて、他人の言うことをすぐに信じたり、引き受けたりするさま。また、そういう性格の人。【大辞林】
・何事も善意にとらえる傾向があり、他人に利用されたりだまされたりしやすいこと。また、そのさまや、そういう人物。【大辞泉】

「ひとがいい」
・人柄が良い。気立てが良い。/お人よしだ。【大辞林】
・人柄がよい。気立てがよくて、他人の言いなりになりがちである。【大辞泉】

どちらの語も相手に対して発するものであり、それと同時にその相手に対する評価が含まれていることがわかります。ただ、注意してみるとその評価が微妙に違うことに気づかれるでしょう。

つまり、「おひとよし」のほうは相手に対して一応は好意的に見ているものの、その相手をいささか見下すようなニュアンスが感じられます。「いい人だけど、ダメだねえ」みたいな…。

一方、「ひとがいい」のほうはというと、相手の人柄の良さのことをかなり評価しつつ、まあマイナス面もあるかなあといったニュアンス。「信じ込みやすい面もあるけど、いい人だよね」といった感じ。

ね、なかなか面白いでしょ?

ところで、ワシが他人からよく言われるのは「おひとよし」のほうが圧倒多数。まず「ひとがいい」なんて言われたことがありません。いえ、別に「おひとよし」と言われても構わないんですよ。第一、ワシは自分で「ひとがいい」なんて思ってないんですから。それに上に記した辞書の定義に当てはまることも多々あるからです。

でも、改めて考えてみると「おひとよし」と言われながら実は自分の中ではそれを「ひとがいい」と都合良く変換して解釈していたようにも思うのです。だから、他人から「おひとよしだねえ」と言われても何も疑うことなくニコニコと「あははは、そうかもね」なんて喜んでいました。

ただ、もし発言した側が「バカだな、コイツ」という意味を込めて「おひとよしだねえ」と言っていたとしたら、ワシは能天気に喜んでいたのですから、それこそ「おひとよし」というわけです。もっとも、「おひとよしだねえ」と発したその人が「おひとよし」と「ひとがいい」のニュアンスの違いがわかった上で発言していたかどうかは不明なんですけどね。

いや~、言葉って、難しいものですね(某映画評論家ふう)
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