赤い靴の気持ち（後編）

さて、次に向かったのは「ホンモク」、そう横浜市にある本牧ふ頭です。前回お話しした追浜工場ではまだ検査などが行われたのかもしれませんが、「ホンモク行き」はまさにこれから輸出されるぞ状態の場所。今か今かと待ちわびている車両がウジャウジャいます。

実際に行けばわかりますが、このふ頭、一般車両は入り込むことができません。ふ頭入り口にはゲートがありまして、そこには警備員が仁王立ちして構えているからです。まさに「異人さんに連れられ」る瞬間を見ることはできないのです。

汽笛とともに旅立つ船から投げられるテープを受け取ることすらできないんです！ 嗚呼、なんたる悲劇！ 母は旅立つ子を見送ることすらできず、できることといえば止めどなく流れてくる涙やら鼻水をハンカチで拭うのみ。ひどいじゃないの、あんまりだわ！ ヨヨヨヨョョョョョ。

妄想はそれくらいにして…。

ともかく、ここには積み込まれる予定の車両がホントたくさんあるんですよ。たとえば、



とか、



とかね。これは単なる駐車場じゃありません。ほら、よく見るとどのクルマもナンバーがついてないでしょ？



これは決死の覚悟で撮影したもの。いえね、この場所は車両停止が禁じられているところなんです。運悪く見つかれば、直ちに違反切符が切られること請け合い（うけてどーする！）。まあ、どれだけたくさんのクルマがプールされているかを知っていただきたくて撮影したんですけどね。ワシはフォト・ジャーナリストじゃないので、これらの写真ではイマイチ臨場感はありませんが、雰囲気ぐらいは伝わったかな。