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中邑氏の講演会の中で紹介されたコミュニケーションツールは、いずれもある特定の場面が想定されていて、その選択基準が極めて実践的なのが特徴なのだ。今回取り上げるのは「視線コミュニケーションボード」と呼ばれるもので、現物の写真は著作権上出来ないが、概念図を描いておいたので見て欲しい。
A4サイズぐらいの下敷き風着色透明板の中央に、透明な3×5cmほどの透明窓が空けてある。その周囲にシンボルが配置されている。この窓の大きさは大人の目の大きさが基準になっているのではないかと思う。1m位に接近対面し、その距離の中央にこの板を立て、中央の窓からお互いの眼差しをあわせる。表現者は、例えば「BEACH」と伝えたいときには、裏側からみて、視線をそのシンボルを追うように「下・右上・上・右・左上」と動かす。すると受信者もその視線を追うようにしてシンボル「B・E・A・C・H」を確認できるというものだ。
麻痺のある方が視線を動かして言葉を伝達できる。しかしこれは自閉症スペクトラムの方にも視覚シンボルによって、対話を潤滑に向上させる効果が期待できるという。図では8点(A~H)しか書かなかったが見せていただいた板には、横たわった人体像の絵の周りに16点ほどの単語が配置されていて、わずかな視線の変化がお互いに確認取れるという面白い効果を利用している。文字ではなく単語でも構わないので、何種類か作っておいて使い分ければかなりの対話が出来るというもの。
ボードが薄く着色してあるのは、1m前後という距離が一般の対面距離からは近すぎて、心理的な圧迫感があるので、「もの」が介在していることで安心感を生むのだという。
商品カタログでは4,000~5,000円だが、身近な材料で作れてしまう。実はこのことが大事なことなのだと思う。何十万円もする道具を使わずとも、実は対話困難な相手と見られる障がいのある方とは工夫があれば語れるのだという、知の成果からのエールであるからだ。
このボードは中邑氏らの研究の成果であるという。joint attention の微妙な効果を感じさせるツールだった。
(つづく)
A4サイズぐらいの下敷き風着色透明板の中央に、透明な3×5cmほどの透明窓が空けてある。その周囲にシンボルが配置されている。この窓の大きさは大人の目の大きさが基準になっているのではないかと思う。1m位に接近対面し、その距離の中央にこの板を立て、中央の窓からお互いの眼差しをあわせる。表現者は、例えば「BEACH」と伝えたいときには、裏側からみて、視線をそのシンボルを追うように「下・右上・上・右・左上」と動かす。すると受信者もその視線を追うようにしてシンボル「B・E・A・C・H」を確認できるというものだ。
麻痺のある方が視線を動かして言葉を伝達できる。しかしこれは自閉症スペクトラムの方にも視覚シンボルによって、対話を潤滑に向上させる効果が期待できるという。図では8点(A~H)しか書かなかったが見せていただいた板には、横たわった人体像の絵の周りに16点ほどの単語が配置されていて、わずかな視線の変化がお互いに確認取れるという面白い効果を利用している。文字ではなく単語でも構わないので、何種類か作っておいて使い分ければかなりの対話が出来るというもの。
ボードが薄く着色してあるのは、1m前後という距離が一般の対面距離からは近すぎて、心理的な圧迫感があるので、「もの」が介在していることで安心感を生むのだという。
商品カタログでは4,000~5,000円だが、身近な材料で作れてしまう。実はこのことが大事なことなのだと思う。何十万円もする道具を使わずとも、実は対話困難な相手と見られる障がいのある方とは工夫があれば語れるのだという、知の成果からのエールであるからだ。
このボードは中邑氏らの研究の成果であるという。joint attention の微妙な効果を感じさせるツールだった。
(つづく)