センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

私の気になる一冊「世界は感情で動く」

2009-02-28 17:19:56 | 感覚
最近、私が気になる一冊の本を紹介したいと思う、それは「世界は感情で動く」
行動経済学からみる脳のトラップ、マッテオ・モッテルリーニ著(サン・ファエン生命健康大学教授)、泉典子訳、週刊エコノミスト3/3特大号より文書引用紹介。
人々の多くは「自分はおおよそ合理的に行動している」と思い込んでいる。
しかし本書を通じて示されるのは、人間の認識がいかに感情に左右され、あてにならないものかということである。
そもそも人間の脳は、知覚するすべての情報を処理するようにできていない。
そんなことをすれば、私達は圧倒的な情報の中で混乱し、身動きができなくなってしまう。そこで脳は「直観」という近道を使うことで、問題解決の労力を減らすことにした。しかしそれこそが「脳のトラップ(罠)」を生み出す元にとなり、ときに人々はそのトラップに引っかかって大きな損失を破る。
本書は、これまで蓄積されてきた行動経済学や神経経済学の研究成果を駆使し、どこにどんなトラップがあるのか、それを回避すめるためにはどうしたらよいのかを豊富な例で語る啓蒙の書である。
例えば、私達は経験の快苦の大きさ、そのピーク時点と終了時点でのみ判断する傾向がある。そのため実験の参加者に、78デシベルの大きさ音を16秒間聞かせた体験と同じだけの音を同じ時間聞かせた後にさらに66デシベルの音を8秒間きかせた経験とを比較して貰うと、後者の方が苦痛が少ないという回答が多くなってしまう(後者の方が終わり方が「まし」だからである)。
これをピークエンドの法則という。
こんな例が本書の中にはぎっしり詰まっている。詳しくは説明は本書に譲るが、例えば、サイコロの1の目は他の目が出るはずだと思う(少数の法則)。演説会での報告の順番が入れ替わるだけで報告者に対する評価が違ってしまう(順序効果)。自分が属する集団以外の他の集団への敵意すら単に自分の集団のアイデンティティーやプライドを高めたいという脳の要求に他にならない。
これらのトラップに陥らないようにするためには、私達がトラップのありかを認識すると共に、心の中に健全を批判者を育てることが必要だと本書はいう。
本書はイタリアの大学教授で、科学史、科学哲学、認識論、理論学、経済学などの幅広い分野で研究している。そのためか、本書では示される例は経済現象から文学や映画にまで多義にわたっており、語り口は豊饒きわまりない。
自分に自信がある人にこそね一読をお勧めしたい。

豊富な例で語る「直観」という脳の罠に陥らない方法。
私はこの文書を拝見し、女性の方々に読んで欲しいと思います。
直観は男性より、女性が優れており、男女の脳の相違でもある。日本では、脳科学のベストセラーの脳本は面白いかも知れないが、私達には参考に成らないのである。
別にやきもちをからベストセラーの本を読まない訳ではない。何より私は脳の本や感覚の本は、著者のレベルや内容が分かるので読まなくてもよいのである。
つまり、読むべき本は決定しているし、読むべき著者も決まっているから、日本での感覚、脳本は余程、無名か新人研究者の本をセレクトして読んでいる。
但し、海外の研究者の著書は私の不勉強からあまり知らない人が多く、読んで参考になることが多いのである。
私達研究者は、脳のトラップを脳の錯覚の世界と呼んでいる。つまり、人の脳は思い込みや勘違い、誤解など多々あるのです。
これら脳のトラップ(罠)に陥らないためには、自己の脳を理解することである。
人の脳は五感も同様に、外的情報を全て処理し、認識し、判断できる訳ではないのである。そこには、感情や体調など様々な心模様が関わってくるのです。
これらは、個人の好み、直観、感情など「複合感覚」として人の脳は情報を捉え処理し、診断し記憶するのです。
この著者のマッテオ・モッラルリーニ氏は、日本人研究者にはない感性、豊かな経験、豊富な知識の基に行動経済学や神経経済学の研究成果から書き下ろされており、日本では馴染みの薄い研究でもある。
是非、専門化、関係者にも一読して欲しい本である。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、

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