現在において、日本人は疲れている。昔は農業や工場、現場での肉体労働が多かったため、肉体疲労が多かった。ところが現在はストレスなどディスクワークなどの仕事が多くなったために精神的疲労が多いのです。
一口にヒトの疲れと言っても、二種類ほどあります。肉体疲労と精神的疲労です。
自分ではあまり疲労の自覚がなくても、実際にはかなり疲労が溜まっている状態にも関わらず無理をしていることがあります。
これら疲労を測定することは、以前は血液から乳酸という物質の量で疲れの状態を見ていましが、最近の研究で疲れ物資が乳酸量でなく、ある種のウイルスが関わっていることが判明したのです。
そのウイルスとは「ヒトヘルペスウイルスHHV6」という、疲れに深く関わっているのです。このウイルスは体内に存在しており、脳内にも存在しているのです。
人が疲れを感じるとこのウイルスが身体外、唾液に混じって出ます。
私も疲れたときに、口内ヘルペス、口の周りにヘルペスが出来るのは、このヒトヘルペスウイルスHHV6が原因でもあります。
ですから、最近は疲れの度合いを測定するときには、唾液からこのヒトヘルペスウイルスHHV6の量を測定することで数値化し、疲れ度合いを判定するのです。
確かに、運動などの疲れは筋肉に溜まる乳酸が溜まるので身体のだるさなどにつながります。このときに脳内では成長ホルモンを分泌させて、筋肉の維持や乳酸を分解するために放出します。これらが筋肉痛として実感します。
また、身体的な疲れに精神的な疲れがプラスされる疲れもあります。これらの疲れはなかなか回復できず慢性的に疲れを感じる「慢性疲労症候群」という、30歳代、40歳代のサラリーマンに多い疲れ方です。
月に100時間以上の残業やストレスなど、極度に疲れを感じると身体だけでなく、精神的にも悪影響が出て、鬱病やひどい場合は「過労死」も予想されるのです。
ですから、ヒトの疲れを甘く見ず、疲れたと感じたら、睡眠と休息をとり、軽い運動や散歩など気分転換も必要です。
目などの五感の疲れだけではありません。ヒトは脳が疲れやすいのです。
ヒトの脳が疲れるとある脳部が活発に働くのです。この脳部を「前頭眼窩野」という、脳が疲れたと感じるとこの前頭眼窩野が働き、脳をコントロールし、見張っているのです。
そして、脳に指令を出し、休息しなさい。集中力や指向性が低下しているとシグナルを発して、脳の疲れを実感するのです。
この脳部は、25歳頃から衰え始めます。この前頭眼窩野を鍛錬するのには、ヒトとヒトの会話、生の声で会話し、相手の顔を見ながらコミュニケーションすることで鍛錬出来るのです。
ところが、現在の子供たちや若者たちには、このヒトとのコミュニケーションが欠如しており、ですから、若くして脳が疲れやすい。身体も疲れやすいのです。
また、現代人に多い疲れがストレスによる精神的疲労です。人の脳がストレスを感じると脳内にはストレスホルモン(コルチゾール)という副腎皮質ホルモンが分泌されることで、自律神経に影響を与え、血圧、心拍の上昇、胃腸活動への影響を与えるので、慢性的な下痢などに悩まされるのです。
ストレスによる精神的な疲れが実は、疲れがなかなかとれない、一晩眠っても疲れているなど、倦怠感として感じたり、気力の低下、頭痛など様々な症状として表れます。
では、これらヒトの疲れを改善し、予防するのには、まず、睡眠と休息、それと食事や運動なども重要となります。
例えば、身体的な疲れには、鳥の胸肉が乳酸を分解する働きがある「イミタゾールペプチド」という物質に効果があります。鶏肉のソテーにアスパラを添えて食べるとかなり効果が期待できます。アスパラは、アスパラギン酸という、栄養ドリンクにも使われている物質が含まれております。
他に、最近ではスポーツドリンクなどにクエン酸が肉体疲労に効果があると言われております。自然なクエン酸としては、梅干しを一粒食べることで効果もあります。但し。調味梅干しにはクエン酸効果は期待できません。
他に、お浸しなどにクエン酸を多く含む、黒酢など小さじ一杯をかけて食べるのも良いでしょう。
精神的な疲れは、脳を癒す方法を探すことです。好きな音楽でも、女性のヒトならアロマセラピーなどの嗅覚刺激、森林浴など心地よい環境に身を置き、心を落ち着かせることでヒトヘルペスウイルスHHV6 が減少することが解明されております。
今後とも私共はヒトの疲れを解明し、薬などで改善するのでなく、食事と休息、脳の癒し効果で改善することの重要性を提唱して参ります。
センスプロデュース研究所、葛西行彦