昨年2月に初雪が青梅で降りました。翌日に太陽の子広場に入り、野鳥を探していたら、昨年に出逢った「オスのカモシカ」青梅生まれのカモシカなので「アオシカ」と名付けた。オスのカモシカが、何とメスを連れ添い、私に紹介するように、私の目の前で「プロボース」しましたが、メスの方が迫力ある。年上のメスということもあり、アオシカは、私の目の前でフラれてしまいました。私も良く女性にフラれるので、落ち込む気持ちは手に取るように分かります。
メスは、何事もなかったようにアオシカを無視して、立ち去って行きました。元気出せよ!アオちゃん、また、別のメスに出逢えるからと無言の念を送りました。
その念が届いたのか?翌日、まだ、残雪が残る太陽の子広場に同じような時間帯に、アオシカがメスを連れて来ました。てっきり仲直りしたのかと思ったら、今度は可愛いメスのカモシカを連れ添ってきました。
翼見たら(チャバコ)でした。二日連続して、私のところにメスを連れてきて、プロポーズしたのは、間違いなく私に紹介したかったようです。私の目の前にチャバコにプロポーズしたら、チャバコがプロポーズを受けて二匹仲良く、私の目の前いちゃついて居ました。
そして、3月中旬の頃には、チャバコが武州青梅金刀比羅神社の下に居ました。私が鳥居の前に居るのを見て、何と!石段を上って来たのでした。そして、神社においでと促したのですが、それは、神がかったチャバコの事ですから、後一段というところで鳥居を潜るのを躊躇して、戻ってしまいました。
その時に、私に伝わったのは、昨年に我が子を崖から転落死したことがあり、妊娠していたこともあり、きっと安産祈願に訪れたのだと想い、代わりに私がチャバコの安産祈願をしました。
その祈りが通じたのか、今年の5月下旬にオスのカモシカの子供が誕生し、何日後かには、神社の下に、カモシカの小さな黒い犬のような子供のカモシカがいると知り合いから連絡がありました。チャバコの事なので、神社の神様に、我が子が無事に生まれましたと報告しに現れたのだと思いました。
私がチャバコの子供を見たのは、6月上旬でした。生後二週間目ぐらいの子供でした。何と、チャバコが我が子に語り掛けるように、傍により、私の方を見つめてくれました。そうしたら、子供のカモシカが私のことをじっと見つめて、二~三分見つめていました。
「ママの知り合いだから挨拶して」と我が子に伝えたのだと思うほど、長い時間、挨拶して呉れました。
嬉しくて、私は泣きそうになるのを我慢しました。その後も、月に数回は親子で出逢えています。今年、カモシカの親子の写真は、既に数百枚は超えています。
また、9月上旬には、太陽の子広場の森で「ツミの親子」に出逢いました。どうやら夏に青梅の森で繁殖した幼鳥二羽と親でした。
直ぐに目の色が黄色い二羽なのでメス、姉妹のツミだと分かりました。それから約3週間、また日の様に通い、ツミ親子を撮影しました。やはり、数百枚にもなります。様々な表情や仕草、謎めいた生態なども撮影できたものです。
それは、図鑑やネット検索しても分からない幼鳥の学習行動でした。新たな発見でもありました。
一本の肉が付いていない細い骨を咥えて、木の上から落として、その後、下の方を数分近く覗き込んでいました。確認すると、落とした骨に虫が寄って来たところを捕まえて捕食していたようです。
落ちいた骨に虫がついていたので捕食したのを学習して、学んで骨を咥えて木の上から落とすという信じられない賢さです。
私が唱えている「個体進化論」でした。何れ、このような謎の学習生態を論文に纏めたいと思っています。
ツミは、小型の鷹なので昆虫やカナヘビなどを探して捕食します。身体は鳩ぐらいの大きさなのですが、鳩などと違いタカ類なので長生きします。ツミの寿命は約30年ぐらいだと言われています。
幼鳥期の成長は早く、私が出逢った頃は、幼鳥だったのに三週間後には若鳥まで成長していました。そろそろ「巣立ち」かと思っていた矢先、若鳥のメスのツミが木の枝に止まり、私の方を見つめて、急に右の羽を広げて見せてくれました。そうしたら今度ーは、左の羽を広げて見せてくれました。
立派になったでしょうと伝わりました。その後、飛び立つてしまい戻ることはありませんでした。私に「巣立ちの挨拶」をしてくれたのだと思いました。
私は、元気で長生きして、来年は可愛い雛を産んでねと念を送って上げました。
こうして、今年、カモシカもツミも親子という「絆の深さ」を知りました。人間以上に愛情深く、我が子を思うことは人間以上だと思いました。
こうした貴重な場面や学びの機会を沢山ありました。ただ、野鳥の撮影をしている訳ではなく、アニマルコミュニケーション(動物との交流)愛護するということが生き物たちに私の想いが伝わったのだと思います。
青梅に引っ越して来て本当に良かったと想えた一年でした。来年はどんな生き物たちとのドラマが待っているのか楽しみでもあります。
センスプロデュース研究所、葛西行彦