センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

学校の授業での五感の取り組み例、

2006-09-29 22:31:59 | 感覚、五感
最近、小学校や中学校、高校で五感に関する内容の授業が増えている。
主に、総合的な学習や高校では、生物の時間などでこれらの授業が実施されている。
例えば、神奈川県横浜市にある付属小学校では、富山浩子先生のもと、「五感を育てる」と題して、(みみすま)という授業が実施されている。「みみすま」とは、耳を澄まして、町中や色々な音を聞き取り、それをマップや表にして表して行くという内容の授業です。先生が、色々な音を町中や音から職業を当てるなど、取材や資料集めに色々な場所に出かけて生徒に聞かせ、人の聴覚が大切なことを理解させたり、また、子供達に表現力を養うためにこの「みみすま」で感じたことを発表して貰っている。
生徒は、普段気に留めない音や音楽などに興味と感心を持つようになったのと、何により、生徒の表現力や集中力が身についたと先生は高い評価をしている。
他に、高校での例では、都心の千代田区に千代田学園という女子校があるが、そこに、伊藤晋先生が、実施している五感の授業がある。その内容とは、「五感という刺激をどのように脳へ伝えているか」また、私達の身の回りにある機器に取り組まれている「センサー」は、五感をデジタル化したものである。
生徒に、身近にある機器から五感に関係している製品や装置について調べさせている。
インターネットから引用することは禁止としている。
自分で絵に描いて解説図として作成させている。
このように、人の五感の仕組みやどのように五感から入った情報が脳に伝えられるのか理解することで、人の五感が重要であることを同時に理解させている。
アメリカの小学校では、週に2時間程度、5つの感覚についての授業を行っている。
果物の匂いを嗅いだり、りんごを齧った音を聞いたりして、食材や材料を理解する。
また、五感の大切を学んでいる。
指導する先生も教材化に力を入れ、創意工夫して指導しているから、授業も楽しいものになっている。アメリカの小学校の先生から写真入で授業風景のメールがありました。
上記のスライドをご覧下さい。
最近「食育」という言葉が流行っており、一部の小学校で「スローフード」という「味覚」の授業が実施されている、スローフードとは、ゆっくり楽しみながら食事をするというもので、一流のシェフが学校給食などを造りながら、生徒に食材の大切さや味覚の重要性を理解させている。この指導方法は、ヨーロッパでは歴史もあり、また、一流のシェフが指導に携わっている。やはり、良い食材を選び、味について指導する。
子供の頃から本物の味を感じることで、味覚が育ち、また、一流のシェフに憧れてその職業に夢を持つ子供も増えるのである。
イタリアなどでは、多くの学校で立派に授業として学んでいる。
日本にものこの風潮が広がっているようだ。特に、私は、ヨーロッパ以上に日本で必要だと提唱している。それは、加工食品や好むものだけ食べる傾向や食材には恵まれながら、「食」に乏しい日本の子供達、多くの子供達に味覚異常が疑われる現状がある。
現在では、学校教育というと小学校から英語や情報教育として、小学校の3年生からコンピュータの授業があります。但し、事前教育を実施している学校が少ない現状に私は警告を発しています。それは、私達の五感と深い関係にあります。コンピュータは、視覚優位の刺激だけで、一部触覚、プラスチックのキーボードを触るだけです。
ゲーム感覚でパソコンを理解しますから、ルールや便利な道具であることの理解より、何でも出来てしまうと勘違いしてしまうところに「危険性」が潜んでいるのです。
ですから、パソコンの正しい使い方とどのような時にコンピュータを使ったら良いか、また、誤った使い方をするとどうなるのかなどを指導して欲しいのです。
小学校の先生でパソコンを操作できない先生が全国で3割程度おられるという報告もあります。また、事前教育が必要であると感じて指導している先生は、全国でも1割程度だと予想される。私のように感覚まで取り入れながらコンピュータの素晴らしさと「怖さ」を同時に指導する方が日本では極端に少ないのが残念で成りません。
例えば、私達の身に迫る危機や危険は、視覚以外で感じることで危機や危険から身を守ることが可能なのですが、見た目以外の危機は、全くといって感じないところに私は危険であると警告しています。異常な匂い、異常な音、触った異常、おかしな味などで私達に迫る危機や危険を回避する能力が働くのです。まさしくこれが「本能」なのです。ところが、この本能がゲーム脳や視覚優位の感覚に陥ってしまったら、極端に低下するのです。ですから、思わぬ行動、思考や創造力まで影響を与えるのです。
それは、特に子供の脳と五感に深く関わっています。やはり、五感をフルに活用して情報を脳に送ることで子供達の脳は活性化され、これらの本能が正常に働くのです。
また、五感体験が豊かな人ほど理性や危険回避能力など色々な能力が身につくのです。
残念ながら、現在の生活環境や遊び環境では、なかなか身につきません。そこで、私が提唱している学校教育で五感の授業の勧めです。
現在の私達の生活環境は、五感を刺激するどころか、視覚を酷使する結果にも成り兼ねないものなのです。室内は夏涼しく、冬暖かな環境、デジタル製品で溢れた家庭内、テレビのスイッチも寝ながらにして出来ます。ですから、リモコンが故障したらテレビすら見られない状態になるのです。
幼い子供の頃から携帯電話での会話、パソコンでの調べ事、益々快適で便利な環境、益々、道具に依存して行く感覚に陥って行きます。そこで、私共が提唱している野外体験の重要性があるのです。野外特に自然は、多様性の情報があり、脳に多くの情報を送ることが可能です。野鳥の鳴き声や風で樹木が揺れる音、緑の色や花の奇麗な色、また、樹木の匂い、花の甘い匂い、頬や肌で感じる風の流れや体感温度、時には、木の実を食べて、甘酸っぱい、苦い、樹木の樹皮に触れば、ゴツゴツ感、ツルツルした感じなどの体験は、子供の脳に多くの情報と刺激を送り、人間本来の感覚を取り戻すことが出来るのです。本能として感じる感覚こそ、五感なのです。
「自然は教科書以上のことを教えて呉れる」なのです。
人間は400万年ほど前、サルから進化し、枝分かれした生き物です。
その頃の我々の先祖は、森で狩りをし、森を中心に生活を営んでいました。その先祖代代のDNA(遺伝子)が現在の私達にまで受け継がれ、私達が森やせせらぎで心地よいと感じる感覚は、この遺伝子が自然と「同調」して気持ち良いと感じるのです。
この気持ち良さこそ、人の脳が求める刺激なのです。ところが、現在の多くの子供達は、脳が求める刺激とは逆の刺激を脳に送っています。つまり、五感のバランスが極端に崩れているのです。
ですから、自然環境に身を置いて、五感から入った刺激を脳に送る重要性がここにあります。
学校関係者には、このことをご理解して頂き、学校授業の中に「五感の授業」を取り入れて頂きたく存じます。
安倍総理が「教育改革法案」に取り組んでおりますが、私共も教育改革に取り組んで参ります。
また、私共が、五感の授業の指導方法や資料、プログラムの作成、指導案の作成など用意もしております。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、




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漢方治療

2006-09-19 22:39:37 | 感覚
漢方治療 かんぽうちりょう日本につたえられた中国伝統医学が独自の発展をとげて集大成され、江戸時代に隆盛をみた日本の古典的な医療。
*漢方にもちいる植物と生薬
生薬は、鉱物、菌類、植物などからつくられるが、植物からつくられる生薬がもっとも多い。漢方薬としてもちいる場合は、複数の生薬がくみあわされてもちいられる。民間薬は多くが単品でつかわれる。それぞれの生薬の中に多くの成分がふくまれているが、その薬効は、くみあわされた生薬によってことなる。たとえば、葛根(かっこん)には、発汗、解熱作用、甘草は鎮痛などが知られている。甘草はマメ科カンゾウの根茎。葛根はマメ科クズの外皮、桂皮はクスノキ科ケイ(ニッケイの一種)の樹皮。芍薬(しゃくやく)はキンポウゲ科シャクヤクの根。
II 歴史
413年ごろ、大和朝廷(→ 大和政権)は、当時、朝鮮半島でさかえていた新羅から良医をむかえた。これが中国医学が朝鮮を経由して日本に流入した最初の出来事とされている。
1、大同類聚方と医心方
中国の医学が本格的に導入されるのは、遣唐使が派遣された7世紀以降のことで、日本からの留学生が中国の医学をまなんで帰国したり、僧医とよばれた鑑真なども中国からやってきた。808年(大同3)に、諸国の薬方や処方をあつめて編纂された「大同類聚方」は、中国医学の影響をうけている。そして、当時導入されていた中国医学を集大成したのが丹波康頼で、「医心方」にまとめ984年(永観2)に円融天皇に献上している。
2、曲直瀬道三
室町時代になると、田代三喜が明で中国医学をまなんで帰国する。その弟子の曲直瀬道三は、医学にひいでるとともに、多くの弟子をそだて、日本の漢方医学は道三からはじまるといわれるほどである。道三の医学は、中国の金、元の時代の理論的な医学を継承している。
3、古方派と後世派、考証学派
江戸時代になると、理論を排して実践をとうとぶ医家が輩出し、中国医学の最高古典とされる「傷寒論」への復帰をとなえた。日本ではじめて人体解剖をおこない、記録にのこした山脇東洋や、目にみえないもの、体験できないものを排斥した吉益東洞などがいる。
古典への復帰をとなえたこの流派を「古方派(こほうは)」という。そして、曲直瀬道三らの学統を「後世派(ごせいは)」とよんでいる。江戸後期には、幕府医学館を中心とした医学者が力を発揮した。これらの流派を「考証学派」とよび、その後の漢方医学は、この3つの流派のいずれかをうけついでいた。
江戸末期までは、とくに漢方医学という呼称はなかったが、西洋医学が本格的に流入してくると、洋方に対して「漢方」という名称をもちいるようになった。
4、漢方医学の衰退
明治期、政府は西洋の文物や制度に範をとり、医業をおこなうものはすべて西洋医学をおさめなければならないとした。それ以来、日本の漢方医学は衰退の一途をたどり、ごく少数の医師によってうけつがれていった。したがって、日本には漢方医という資格はなく、すべて西洋医学をおさめた医師が、漢方医学をまなび実践している。
5、中医学派
戦後、感染症の激減、慢性病の増加といった疾病構造の変化とともに、漢方医学が再評価されるようになった。現代中国が古典医学を尊重し、教育をつづけた影響も大きい。中国の古典医学の教科書なども流入し、中国に留学する医師や薬剤師もふえた。これらの現代中国の古典医学を学んだ流派を「中医学派」とよんでいる。
漢方薬や生薬の科学的研究もすすみ、今日では保険医療の中にも漢方薬は多数採用され、つかわれている。
III、漢方医学の基本的な考え方
漢方医学では、その人の体質、病状、病期、病気に対する抵抗力の強さなどをみる。これらの情報を総合して「証」をきめる。個々人の反応の仕方の違いを重視して、その人その人にあった治療をおこなうのが、漢方医学の最大の特徴である。
IV、診断法
証をきめるのに、漢方医学では独特の診断法をもちいる。望診、聞診、問診、切診という四つの診断法で、病人が自覚する症状、病人にあらわれている症状を、人間のもっている五感をフルにつかって収集する。
1、望診
望診というのは、目でみる診断法で、全体の様子、顔色、眼の勢い、舌などをみる。
2、聞診
聞診というのは、耳で聞いたり、においをかいでおこなう診断法である。病人の声の強さや調子なども大切な情報になる。
3、問診
問診では、病人から病状や経過、既往歴などをたずねる。形式としては、西洋医学の問診とそれほど変わりはない。内容は、漢方医学の診断に役立つ情報をきくので、西洋医学の問診とはややことなる。たとえば、アトピー皮膚炎なのに、便通や食欲をたずねられたり、頭痛なのに小便の出方などをきかれたりする。
4、切診
切診には脈診と、腹診がある。医師が病人の体に直接触れる診断法が切診である。脈診は脈の強さ、速さ、調子などをみる診断法で、ふつう、手首の動脈を3カ所でふれて、情報をとる。針灸治療ではもっとも重視される。
5、腹診
腹診は、とくに日本の漢方医学で重視される診断法で、仰向けにねて、足をのばした状態で、腹部の緊張状態、圧痛などをみる。
V、証の決定
このような診断法で情報を収集して、証がきめられる。証の診断にあたって、漢方医学では独特の分類法をもちいる。陰陽、虚実、表裏、寒熱、気血水の分類である。
まず病人を陰と陽にわけ、次に病気に対する病人の抵抗力の強弱から、虚と実を判定する。さらにくわしい情報をえて、処方を決定するために、表裏、寒熱、気血水の診断をおこなう。
1、陰陽
病人の全体的な印象をいう。暗い、しずか、しずむ、さむいといったイメージが陰、明るい、活発、はげしい、あついといったイメージが陽である。陰陽のバランスがとれている状態が健康で、陰、陽どちらにかたよっても病気ととらえる。
2、虚実
虚は病人の病気に対する抵抗力がおとろえている状態、実は病人の抵抗力がおとろえていない状態をいう。体格の良し悪しには、必ずしも関係しない。
3、表裏
体の表面を表といい、体の内部、内臓などを裏という。病気(病邪)のある位置、またはおもな症状の出現する場所をあらわす。一般に病気は表から裏へと進行していく。
病邪またはおもな症状が表にあれば、表からおいだす治療をおこなう。裏にあれば、下痢させておいだしたり、内臓の働きを活発にしたりして、病邪に抵抗する力をます治療をする。
4、寒熱
病人の局所にあらわれている症状。手足がひえる、顔が青白い、悪寒がする、つめたいものよりも、あついものをほしがる、というような症状があれば、寒と判定される。熱は、あつがり、顔色が赤い、手足がほてる、つめたいものをほしがる、などの特徴がある。
寒の治療には、あたためる治療がおこなわれる。熱の治療は、さます治療が原則である。
陰陽と寒熱は似ているが、全体的には陰証なのに一部熱の症状がみられる場合がある。こういうときに熱をさます治療をえらぶと、かえって病気が悪化することもある。だから、陰陽と寒熱の診断はそれぞれ大切である。
5、気血水
漢方医学では、人体の機能は、気という目にみえないエネルギーと、血という血行、水という水のような体液の3つの要素で維持されていると考えられている。この気、血、水のスムースな流れに障害があると、病気がおこってくる。気血水は、それぞれ関連しあっていて、たとえば、気が障害されると血にも水にも異常が生じる。
6、気虚、気うつ、気逆
気の異常には、気虚、気うつ、気逆などがある。気虚というのは、元気がおとろえて、活動が低下することをいう。気うつは、気の循環が障害されて、うっ滞することをいう。胸がくるしく、食欲不振、嘔吐(おうと)、腹部膨満感、腹痛などの症状がみられる。気逆は、気の逆流によって生じると考えられている症状で、上半身はあついのに、下半身はひえる、動悸(どうき)、嘔吐、腹痛などの症状がみられる。
7、女レ撃ニ血虚
血の障害には、女レ・おけつ)と血虚などがある。女レ撃ニいうのは、血のスムースな流れが障害された状態をいい、皮膚や唇、歯肉、舌などが暗紫色になったり、目のくま、月経異常などの症状がみられる。血虚は貧血のことである。
8、水毒、水滞
水の障害は水滞、水毒ともよばれる。浮腫、発汗異常、嘔吐、下痢、便秘、めまい、頭痛などの症状がみられる。
VI、処方
漢方医学では、生薬を単味でもちいることはほとんどない。いくつかの生薬をくみあわせて、どのような場合にもちいるかがきめられている。これを処方という。
証がきまると、もちいられる漢方処方が決定される。たとえば、風邪のひきはじめで、肩こり、発熱があるときにもちいられる葛根湯(かっこんとう)は、過剰な陽、実、熱のバランスを、おもに発汗を通じて回復する作用がある。
漢方医学には、何万種類もの処方があり、よくつかわれるのは、そのうちの200種程度である。漢方薬にはエキス剤、散剤、丸薬、煎薬(せんやく)などがあるが、煎(せん)じてもちいる場合は、きまった処方の中から不要な生薬を除いたり、必要な生薬を追加することが可能である。
マイクロソフトエンカルタ2003より引用、
群馬県中条町に「薬王園」という、漢方のテーマパークのような施設がある。
ここでは、中国北京薬科大学との提携によって、漢方の取り組みが行われている。
私共の会社でも来年以降北関東に構想している薬学大学では、この漢方の研究を北京薬科大学、北京大学などとの提携によって研究を推進して参ります。
代替医療としての取り組みで、新薬の開発、研究を行う予定である
当社は「薬王園」とも共同研究として漢方の研究に取り組んで参ります。
国内外の薬学系大学との提携、連携によって漢方の本格的研究に取り組み、新薬の開発、研究への応用と幅広い分野での取り組みを行う予定である。
スライド写真は、有名な漢方薬である。瓶詰めされているのが「高麗人参」、センブリは煎じて飲むと苦いが、胃腸虚弱に効果がある。最後の写真は「葛の花」、この葛の球根を煎じたものが「葛根湯」である。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、


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赤ちゃんに抱っこの重要性!

2006-09-15 20:09:24 | 感覚、五感
ヒトが最初に感じる五感は、触覚である。胎児が母親の子宮壁を触ったり、自分の指をしゃぶるなどの行為によって、触る行動を起こすのである。
その後、数週間後、今度は羊水を味わう「味覚」が発達する。同時期、母親の心拍を聴覚で感じ取ることが出来る。
この頃から胎児は母親のお腹を蹴ったりする行動を起こすのである。
誕生後すぐに今度は嗅覚によって、母親の母乳の匂いを感じ取ります。
視覚はまだ見えず、生後間もない頃は視覚もぼんやりして見えない。
2日目頃に母親の顔がぼんやり確認できる程度である。
誕生したてのあかちゃんは、母親のお乳の匂いと、抱っこされるという触覚が頼りになるのです。
また、母親が自分の子供に対して優しく言葉をかけることで、聴覚刺激によって反応します。ところが、最近、育児放棄や乳児虐待などの親が増えていますが、虐待や食事を十分に与えられなかった子供達は、著しい栄養不足と成長不振、心理的影響も多大であり、特に脳の発達障害という、症状が多く見られます。
赤ちゃんは、母親に抱っこされることで脳(感覚)が刺激され、脳の発達を促します。ヒトの脳は3歳ぐらいまでに、その大きさ、脳細胞の数など約80%まで出来上がります。また、五感からの刺激情報によって脳の安定化、正常化に繋がり、情緒安定、身体の成長まで影響することが研究で分かっております。
一部の産婦人科医では「カンガルーケア」という、抱っこの時間を設けて、自分の子供を肌で感じ、子供の脳への五感刺激を送ることで成長を促し、脳は五感(感覚)によって発達するのです。
「三つ子の魂百までも」という、諺はこの脳生理学からきている諺なのです。
また、母親が自分の赤ちゃんを抱くことで、自分の脳も同時に刺激され、脳内では「プロラクティン」という、物質が分泌され、その物質が母乳に伝わり、母乳の出を良くするのです。つまり「プロラクティン=子育てホルモン」なのです。このスキンシップによる触覚刺激が赤ちゃんの脳を成長させ、及び、体重の増加に繋がり、身体の成長にも繋がるのです。
タッチケアを実施したケースと実施しなかったケースのグラフをご参照ください。上記のスライドの写真(グラフ)をご参照いただければ違いが理解できると思います。著しい体重の変化が現れるのです。身体的な影響だけではありません。
何より、心理的な発育に影響を与えるのです。それは、脳の成長に関わってくるのです。私達、大人の脳では「概念」というフィルターが存在し、自分の好むものや、覚えなくても良いと判断し、五感情報を選択し、記憶します。
ところが赤ちゃんの脳ではこの概念のフィルターが存在しません。
五感からの情報をすべて脳に送り、記憶します。この五感刺激によって脳細胞(ニューロンネットワーク)を広げてゆくのです。
例えば、乳児期に育児放棄や虐待を受けるようなことがあると、この脳への刺激が極端に不足します。よって、情緒や精神的不安など、脳の成長に悪影響を与え、身体的な影響も出ます。母乳の量を同じように吸入しても触覚的刺激(タッチケア)を受けた赤ちゃんとそうでない赤ちゃんでは精神的にも身体的にも発達障害が生じるのです。
以前、大学の研究員と私が共同研究で、子ザルを使用して「触覚」の研究を行ったことがある。内容は、ゲージに針金で作った仮親に見立て、もう一方のゲージには、タオルを巻いた仮親を作って実験を行った。
最初、針金の仮親に抱きついた子ザルはすぐに離れ、悲しげな泣声に変わった。
そのときの脳の血流を測定した。脳はあまり反応せず、ストレス状態である。
タオルを巻いた仮親に抱きついた子ザルは今度は中々離れず、抱きついている。
そのときの脳の血流は前頭葉が赤くなり、脳が活動していることを意味し、精神的にも安定している。
最後に、本物の親に抱っこされた子ザルは、甘えたような泣声で母親の母乳に吸い付いた。このときの脳の血流は脳全体が赤く、活発に活動的している。
安定した状態であり、子ザルにとって本当の親に抱っこされることが、脳の安定化、正常化に繋がっているのである。
動物がもつ本能であり、脳の成長段階にある赤ちゃんにとって親から抱っこされる(スキンシップ)こそ、触覚刺激と嗅覚刺激、聴覚刺激によって脳が活性化し、成長し続けるのです。この刺激が遮断されてしまうと、精神的不安、身体的影響など、発達障害が生じるのです。
上記のスライドをご参照頂ければご理解頂けますが、手で触っただけでも赤ちゃんの脳が反応し、成長するのです。これら脳の成長、身体の成長には五感的刺激が重要であることがご理解いただけるかと思います。
「ヒトの脳は感覚によって発達してゆくのです」
我々大人では、脳細胞(ニューロンネットワーク)が20歳を過ぎた頃から毎日10万という数で死滅しますが、生涯で脳細胞の全体では数%の死滅だから脳が小さくなったり、変形することはあまり無いのである。
但し、特殊な脳の使い方をするとその脳部が異常に発達することが研究で判明している。例えば、音楽家は、聴覚野という脳部が皺や細胞の数が多くなり、形までが変形してしまい、頭蓋骨までも変形してしまうほどである。
これは、音楽という、聴覚の刺激情報がとくに多いことにも関係している。
バッハの髄骸骨が現在まで残されており、その頭蓋骨を観察してみると側頭葉の聴覚野が異常に盛り上がっていることが分かる。
それだけ聴覚が優れ天才的な脳なのである。
赤ちゃんの脳では、五感(感覚)によって脳が発達し、成長するのである。
これから赤ちゃんが生まれる方や現在、赤ちゃんが居られる方が私のブログをお読みになっていたら、まずは、赤ちゃんを抱っこし、優しく話しかけることで、そのことで、赤ちゃんは母親の声、匂い、温もりを感じます。
そして、目を見つめ合えば、微笑返しもします。
これらの行為が赤ちゃんの脳を刺激し、成長させるのです。
まずは、子育てに迷わず、我が子を抱っこして下さい。
このスキンシップで我が子への愛情も深まるのです。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、

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代替医療

2006-09-13 10:43:45 | 感覚
代替医療 だいたいいりょう Alternative Medicine オルタネーティブ・メディシン、非正統医療ともいう。当初、アメリカを中心に使われた言葉で、その治療、技術、信条は西洋医学のヘルスケアの主流とは立場を異にする。代替医療では、クオリティ・オブ・ライフを向上させ、病気を予防し、慢性的な腰痛や癌など従来の西洋医学では治療が困難だった病気や症状にはたらきかけることに重点をおいている。
代替医療を支持する人たちは、このような治療へのアプローチは現代的な医療にくらべて安全で自然だと考えている。代替医療がヘルスケアの中心になっている国もあるが、現代医療では、代替医療はまだ異端視され、効果や安全性がはっきりしていないと考えられている。
1990年、ハーバード医学校の研究者がアメリカで全国調査をおこなった。それによると、回答者の3分の1が、過去に少なくとも1度は代替医療を経験したことがあり、さらにその3分の1は代替医療をおこなう施設をおとずれたことがあるという。つまり、アメリカではおよそ6000万人が代替医療をうけたことになる。ほかにカナダ、イギリス、オーストラリアでも代替医療に対する関心が高まっていると報告されている。
II 代替医療の分野
アメリカの国立衛生研究所(NIH)に提出された特別報告「代替医療―医療の地平線は広がる」では、代替医療を6つの分野にわけている。まず、体に対する心の介入である。この分野では、心が体に影響をあたえ、なおす力があるかどうかをしらべる。すでに、精神状態が免疫系に大きな影響をあたえることは明らかになっている。このことから、癌その他の病気の発生や進行に対して心がはたす役割に大きな関心がよせられた。この分野の独特のものとしては、瞑想(めいそう)、催眠、芸術療法、バイオフィードバック、精神療法がある。
生体磁気の利用が2番目の分野である。これは、大きな発熱もなくイオン化の作用もない電磁波に人体が反応することを利用している。骨の回復、神経の刺激、傷の治療、骨関節炎、免疫系の刺激によくつかわれる。
3番目は、医療の代替システムである。どのシステムも、健康と病気に関する独特の理論、初心者にその概念をおしえるプログラムと、その実行を規定する法則などをもつ。鍼療法、アーユル・ベーダ、ホメオパシー、自然療法などがこれにあたる。
4番目は、カイロプラクティックやマッサージなどの、手による治療である。体のある部分がわるいと、そこと直接関係しない別の部位にまで影響がおよぶという考えが基本にある。骨ややわらかい組織に手で刺激をくわえて、体の各部をただしい位置や向きにもどすことが健康維持につながるとしている。
薬理学的および生物学的治療が5番目の分野で、ここではまだ主流になっていない薬やワクチンを利用する。たとえば、ヒトの血液と尿からエイズの薬がつくられたり、ヤドリギの抽出液から腫瘍(しゅよう)の治療薬が開発されたりしている。しかしこのような化合物は、安全性やその効果がまだはっきりしていないので、科学的には評価されていない。
有史以前から何世紀にもわたって人は薬草(→ 薬用植物)をつかって治療してきた。この薬草による治療が6番目の分野である。どこの文化でも、植物や植物からできたものをつかって治療する民間療法がある。また、現在許可のおりている薬のもとになっているのは、さまざまな文化圏の薬草である。その代表格のジギタリスはジギタリスの葉から抽出した薬で、心臓障害によくつかわれる。アメリカでは薬草は食品店で売られているが、食品医薬品局(FDA)の管理外なので、純度と安全性に保証はない。WHO(世界保健機関)では、世界の人口のおよそ80%にあたる人々が基本的なヘルスケアのために薬草からつくった薬をつかっているとみている。
III よくおこなわれる治療法
鍼療法:中国で古代からおこなわれていた治療法で、体のツボといわれる位置に鍼(はり)をさして、病気や痛みを軽くしようというもの。
ホメオパシー:毒性のないように希釈したごく微量の薬物を投与して、患者の症候に似た症候をわざとつくり、抵抗力をつけて治療しようとする方法。
カイロプラクティック:脊柱(せきちゅう)を中心に体のゆがみをただして病気を治療する方法。
バイオフィードバック:自分自身の体内の生理的情報をモニターすることによって、自分の生理機能を調整し、ストレス性の障害をなおそうとする技法。
以上の4項目については、各項参照。
1 自然療法
19世紀にセバスティアン・ニープが、自然には癒しの力があると提唱した。20世紀になってこの考えをひきついだ治療者のグループが自然療法としてはじめた。アメリカではポピュラーな治療法で、自然療法をおしえる学校もあり、ほとんどの州で治療が許可されていた。しかし化学合成薬がふえるにつれ、自然治療は衰退していった。しかし、ここ数十年の間に自然療法に対する関心はふたたびもりあがってきている。
自然療法医学は、薬草、ホメオパシー、鍼、東洋医学などの代替医療と科学的な診断方法やケアの基準をうまくくみあわせている。自然療法の医師は、体は生まれつき自分自身でなおろうとする力をもっていること、予防が大切であること、病気とたたかい、健康をつくるには、食品を治療目的でつかうなどの原則にしたがって、従来の医療と代替療法をともにまなび、両方の知識をあわせて治療をおこなう。
IV これからの見通し
代替医療の有効性については、現代医学の研究者や医学生物学者の間に懐疑論が深くのこっている。代替医療の多くは、きびしく管理された科学的研究によってささえられているわけではない。たとえば、自然療法の研究は、治療をおこなっていないグループあるいはほかの代替療法グループと、自然療法グループを比較する臨床試験ではなく、治療効果の観察にもとづいておこなわれてきている。しかし1992年、アメリカ議会は、代替医療の科学的評価をもっと正当にしようと、OAM(国立代替医療健康事務局)を設立した。今後、代替医療をとりまく状況がかわり、過去に代替医療と考えられていたものが、やがて医療の主流になる日がくるかもしれない。
V 日本の現状
日本における代替療法とみなされる治療法には、以下の療法がある。丸山ワクチン、蓮見ワクチン、リンパ球療法、佐藤式免疫監視療法、ビタミンC大量療法、各種食事療法(ゲルソン療法、マクロビオティック、甲田式少食療法、森下式食事療法など)、気功、スピリチュアル・ヒーリング、ビワ葉温灸、三井式温熱療法、尿療法、温泉療法、波動水、機能性食品(プロポリス、キチン・キトサン、AHCC、アラビノキシラン、サメの軟骨、アガリクスなどほか多数)、心理療法(瞑想(めいそう)、リラクゼーション、イメージ療法、生き甲斐(いきがい)療法など)、心霊療法などである。
漢方薬(→ 漢方治療)は一部健康保険の適用となっており、鍼灸(→ 鍼療法:灸)、あんまマッサージ、指圧は国家資格が付与されるなど、気功をのぞく中国医学は代替療法とは別にあつかわれているのが欧米とことなるところである。
情報化社会の中での生活様式の変化にともなうストレスの増大のためか、心の病がふえ、それにともなってヒーリング(癒し)の需要がましてきている。
さらに癌のような難治性疾患の患者の間に代替療法は年をおって広がりをみせている。代替療法は自然治癒力にはたらきかける方法であり、自然治癒力の本質をまだ科学が解明していない現在、これにはたらきかける代替療法のメカニズムが科学的に検証できないのは当然のことである。
だからいたずらに科学的でないと排斥したり、逆に万病をなおすと過大評価したりすることなく、その立場を理解し、これをホリスティックなアプローチの一方法としてもちいていくことは、むしろこのましいことである。→ ホリスティック医学
しかし、オーソドックスな医学陣営はまだこれを非科学的であるとの理由で排斥する傾向が強く、一方、代替療法側も誇大喧伝(けんでん)のあまり選択肢をうばうという傾向も多分にあり、代替療法としては欧米にくらべてまだおさないといわざるをえない。また行政においても動きはなく、アメリカのNIHの代替医療局のようなものが行政の中に設置される気配はない。
マイクロソフト2003より引用、
ここで、東洋医学と西洋医学の代替医療をご紹介します。
1)古くからある伝統的療法や民間療法
・中国医学(漢方薬、鍼灸、気功) ・インド医学(アーユルヴェーダ、ヨーガ) ・チベット医学 ・ユニナ医学(アラビア医学) ・漢方 ・鍼灸 ・アーユルヴェーダ ・原住民の療法(アメリカ、ラテンアメリカ)
2)西洋医学に対抗した新しい医療
・カイロプラティック療法 ・オステオパチー療法 ・ホメオパチー
3)心理療法(サイコセラピー)
・精神療法 ・半断食法 ・自然療法 ・手かざし療法 ・自律訓練法 ・催眠療法 ・サイモントン療法 ・バイオフィードバック療法 ・カウンセリング療法 ・リラクセーション療法 ・ヘラーワーク ・アロマテラピー ・スピリチュアル ・ヒーリング ・呼吸法 ・気功 ・外気功 ・郭林新気功 ・瞑想 ・ヨーガ ・祈祷療法 ・芸術療法 ・音楽療法 ・ダンス療法 ・絵画療法 ・笑い療法 ・ユーモア療法 ・イメージ療法 ・温泉療法 ・足浴療法 ・下半身浴療法
4)食事療法
・玄米食療法 ・青汁療法 ・ワカメ ・コンブ療法 ・ゲルソン療法 ・自然葉法 ・医聖会栄養療法 ・ニンジンジュース療法 ・マイクロビォティック ・メイ牛山式果物 ・野菜療法 ・甲田式小食療法 ・体質別健康法 ・森下式自然医学療法 ・パイウォーター ・ビタミン療法・ビタミンA ・ビタミンB17 ・ビタミンB15 ・ビタミンC ・ビタミンE
5)健康食品療法
・朝鮮ニンジン ・霊芝 ・プロポリス ・純水米酢 ・SOD強化食品 ・AHCC ・アガリスク ・アラビノキシラン ・メシマコブ ・キチン・キトサン ・乳酸菌生産物質 ・肝臓末 ・サメ軟骨エキス ・GCP(アミノアップ化学) ・姫マツタケ ・ウミヘビエキス ・フコダイン ・タヒボ茶 ・マイタケ ・ウコン ・セレニウム酵母 ・KC-2
6)薬用 ・香料植物(ハーブ)療法
・アロエベラ ・野菊の花 ・ドクダミ ・オオハンゴウソウ ・ショウガの根 ・イチョウの葉抽出液 ・アメリカマンサク ・黄色ギシギシ
7)用手(手技)療法
・指圧療法 ・マッサージ療法 ・リフレクソロジー ・足もみ ・ビワの葉温圧療法
8)電気療法
・ブルー光治療 ・人工光照射 ・電気ばり ・電磁場治療法 ・遠赤外線療法 ・電気刺激と磁気刺激 ・微細エネルギー ・光線療法 ・波動療法
9)薬理学的療法
・オゾン療法 ・MKKヨード療法 ・細胞療法 ・アミグダリン療法 ・Ge-132療法 ・キレーション療法 ・グルマニウム療法 ・代謝治療法
10)免疫療法
・飲尿療法 ・クレスチン療法 ・ヒシバニール(OK482)療法 ・クレスチン(PSK)療法 ・インターフェロン療法 ・インターロイキン療法 ・ATK(自己腫瘍細胞障害)療法 ・自律神経免疫療法 ・新免疫(AHCC)療法 ・インターロイキン12療法 ・免疫監視療法 ・新リンパ球療法 ・丸山ワクチン療法 ・蓮見ワクチン療法 ・胸腺療法
11)解毒療法
・CDA-II ・膵臓酵素 ・排泄療法 ・コーヒー浣腸 ・活性酸素抑制酵素 ・月見草油 ・亜麻仁油 ・天仙丸 ・天仙液 ・里芋パスタ ・生姜湿布でも考えてみれば、日本においては、かつては(明治時代以前)は殆ど、この代替医療であった訳です。針灸を始め、按摩・按腹と言った手技療法も大いに利用されていました。
私共は来年以降北関東で構想している「医学薬科大学」ではこの代替医療や公衆衛生、未病といった長期入院や病気予防にこれらの学問を推進している。
また、漢方の研究など中国の研究所や大学との提携や連携によって、代替医療を日本でも本格的に実施する予定である。
また、私共が提唱している「五感療法」も日本での導入のため、本格的な研究と効用や人体への影響など今後の研究課題でもある。
五感療法の詳しい内容については、ホームページをご覧下さい。
http://happytown.orahoo.com/fivesenses/
今後、日本は高齢化社会を向かえ、益々医療負担など重く圧し掛かって参ります。
病気になりにくい、身体づくりや健康体の維持など重要な課題になって参ります。
そこで、重要なのが予防の医学なのであります。公衆衛生、未病、代替医療など医療費の削減のため、自己の体質がどの病気に掛かりやすいのかなど理解する必要もあります。例えば、自分の母親、父親、祖母、祖父が掛かった病気は遺伝的に受け継いでおり、不摂生をしていると発症した病気を同年齢期に疾患する可能性も高く、その確立80%と言われているほどです。これらのことを理解しながら予防に心がけることです。日本では、在宅看護が増えることが予想され、看護する家族への負担も重く圧し掛かってくる可能性もあるのです。
日々、健康で元気な身体こそ一番の財産だと私は考えております。
そのため、私共が何かしらの形で皆様のご健康の後押しが出来たら幸いであります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、



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漢方医学の基本的な考え方

2006-09-07 19:34:08 | 感覚
漢方医学では、その人の体質、病状、病期、病気に対する抵抗力の強さなどをみる。これらの情報を総合して「証」をきめる。個々人の反応の仕方の違いを重視して、その人その人にあった治療をおこなうのが、漢方医学の最大の特徴である。
IV 診断法 、
証をきめるのに、漢方医学では独特の診断法をもちいる。望診、聞診、問診、切診という四つの診断法で、病人が自覚する症状、病人にあらわれている症状を、人間のもっている五感をフルにつかって収集する。
1 望診、
望診というのは、目でみる診断法で、全体の様子、顔色、眼の勢い、舌などをみる。
2 聞診、
聞診というのは、耳で聞いたり、匂いを嗅いでおこなう診断法である。病人の声の強さや調子なども大切な情報になる。
3 問診、
問診では、病人から病状や経過、既往歴などをたずねる。形式としては、西洋医学の問診とそれほど変わりはない。内容は、漢方医学の診断に役立つ情報をきくので、西洋医学の問診とはややことなる。たとえば、アトピー皮膚炎なのに、便通や食欲をたずねられたり、頭痛なのに小便の出方などを聞かれたりする。
4切診、
切診には脈診と、腹診がある。医師が病人の体に直接触れる診断法が切診である。脈診は脈の強さ、速さ、調子などをみる診断法で、ふつう、手首の動脈を3カ所でふれて、情報をとる。針灸治療ではもっとも重視される。
5 腹診 、
腹診は、とくに日本の漢方医学で重視される診断法で、仰向けに寝て、足をのばした状態で、腹部の緊張状態、圧痛などをみる。
V 証の決定
このような診断法で情報を収集して、証がきめられる。証の診断にあたって、漢方医学では独特の分類法をもちいる。陰陽、虚実、表裏、寒熱、気血水の分類である。
まず病人を陰と陽にわけ、次に病気に対する病人の抵抗力の強弱から、虚と実を判定する。さらにくわしい情報をえて、処方を決定するために、表裏、寒熱、気血水の診断をおこなう。
1 陰陽 、
病人の全体的な印象をいう。暗い、静か、沈む、寒いといったイメージが陰、明るい、活発、激しい、暑いといったイメージが陽である。陰陽のバランスがとれている状態が健康で、陰、陽どちらにかたよっても病気ととらえる。
2 虚実 、
虚は病人の病気に対する抵抗力が衰えている状態、実は病人の抵抗力がおとろえていない状態をいう。体格の良し悪しには、必ずしも関係しない。
3 表裏 、
体の表面を表といい、体の内部、内臓などを裏という。病気(病邪)のある位置、またはおもな症状の出現する場所をあらわす。一般に病気は表から裏へと進行していく。
病邪またはおもな症状が表にあれば、表からおいだす治療をおこなう。裏にあれば、下痢させておいだしたり、内臓の働きを活発にしたりして、病邪に抵抗する力をます治療をする。
4 寒熱、
病人の局所にあらわれている症状。手足がひえる、顔が青白い、悪寒がする、冷たいものよりも、熱いものを欲しがる、というような症状があれば、寒と判定される。熱は、あつがり、顔色が赤い、手足がほてる、冷たいものを欲しがる、などの特徴がある。
寒の治療には、暖める治療がおこなわれる。熱の治療は、さます治療が原則である。
陰陽と寒熱は似ているが、全体的には陰証なのに一部熱の症状がみられる場合がある。こういうときに熱をさます治療をえらぶと、かえって病気が悪化することもある。だから、陰陽と寒熱の診断はそれぞれ大切である。
5 気血水
漢方医学では、人体の機能は、気という目にみえないエネルギーと、血という血行、水という水のような体液の3つの要素で維持されていると考えられている。この気、血、水のスムースな流れに障害があると、病気がおこってくる。気血水は、それぞれ関連しあっていて、たとえば、気が障害されると血にも水にも異常が生じる。
6 気虚、気うつ、気逆
気の異常には、気虚、気うつ、気逆などがある。気虚というのは、元気が衰えて、活動が低下することをいう。気うつは、気の循環が障害されて、うっ滞することをいう。胸がくるしく、食欲不振、嘔吐(おうと)、腹部膨満感、腹痛などの症状がみられる。気逆は、気の逆流によって生じると考えられている症状で、上半身はあついのに、下半身はひえる、動悸(どうき)、嘔吐、腹痛などの症状がみられる。
7 瘀血と血虚
血の障害には、瘀血(おけつ)と血虚などがある。瘀血というのは、血のスムースな流れが障害された状態をいい、皮膚や唇、歯肉、舌などが暗紫色になったり、目のくま、月経異常などの症状がみられる。血虚は貧血のことである。
8 水毒、水滞
水の障害は水滞、水毒ともよばれる。浮腫、発汗異常、嘔吐、下痢、便秘、めまい、頭痛などの症状がみられる。
VI 処方
漢方医学では、生薬を単味でもちいることはほとんどない。いくつかの生薬をくみあわせて、どのような場合にもちいるかがきめられている。これを処方という。
証がきまると、もちいられる漢方処方が決定される。たとえば、風邪のひきはじめで、肩こり、発熱があるときにもちいられる葛根湯(かっこんとう)は、過剰な陽、実、熱のバランスを、おもに発汗を通じて回復する作用がある。
漢方医学には、何万種類もの処方があり、よくつかわれるのは、そのうちの200種程度である。漢方薬にはエキス剤、散剤、丸薬、煎薬(せんやく)などがあるが、煎(せん)じてもちいる場合は、きまった処方の中から不要な生薬を除いたり、必要な生薬を追加することが可能である。
マイクロソフトエンカルタ2003、抜粋、引用、
私共は来年以降、北関東で医学薬科大学を構想しているが、当初、薬学から立ち上げ、本格的な「漢方薬」の研究を行う予定である。
北京大学や北京中医薬大学などとの提携によって行う予定である。
私共の医学薬科大学は外国との大学との提携、連携によって授業はオール英語で行うものである。
医学部でも勿論オール英語で行うが、日本の医学部と根本的に教育内容に違いがある。それは「臨床」や「手技」能力を高めることを目的にコミュニケーション学科、公衆衛生などの教育に力を入れて行く予定である。
講師陣もアメリカ人や中国人などの外国人も多く採用する予定である。
世界に通用する医師の育成を目指すものである。
日本にも本格的な漢方を研究している施設があります。「薬王園」という、群馬県中之条町という場所にこの漢方のテーマパークのような施設があります。
この施設とも薬学部と共同研究を行いたいとも構想している。
薬王園の詳しくはホームページをご覧ください。
漢方は、病気予防、未病など体質改善に役立つものです。
私共は西洋医学と東洋医学のメリットを取り入れ、今後、日本の医療改革に取り組んで参ります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、


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