以前には「鉄道カメラマン」が線路に立ち居って撮影したり、線路沿いに何人も居て 危ないなどの指摘がありましたが、今回は、野鳥撮影カメラマンのマナーが最悪な状態です。
私自身も野鳥撮影をしますが、最低限のマナーは守っているだけではなく「野鳥愛護」の観点から撮影し、それが資料作成やデータとして残しています。
ところが私のような本格的に野鳥撮影しているカメラマンは少なく、あくまでも趣味の範囲で撮影している人たちが圧倒的に多いものです。
数年前から問題になっているのが「やらせ写真」です。
事前に撮影したい鳥の好む餌をネットなどで調べ、購入して用意して起きます。「餌付け」と呼ばれる野鳥を呼び寄せると言う方法です。
他にも、見つけた野鳥を近寄って撮影したいので「追っかけ撮影」をするカメラマンも多く、野鳥撮影の基本は「絶対距離」と言う、10m以内には近寄って撮影しない、追わないと言うことです。
現在、こうした事例は、ネットで出現した場所などを知り合いなどに「ネットで拡散」することで、人が大勢集まるようになるのです。
写した珍しい野鳥を知り合いに「写したよと自慢」して、自己満足するために鳥にも、その地域の人たちにも迷惑をかけていることを多くの人たちは自覚していないところに「マナーの悪さ」を感じます。
特に近年、問題になっているのが「珍しい野鳥」の撮影に夢中になり、カメラマンが多い時には、何十人も集まり、場合によっては100人以上集まったこともあります。
地域住民や作業している人たちに迷惑をかけて、警察に苦情の電話をされるケースが増えています。
以前に、千葉県の沼沿いに珍しい野鳥が現れたと撮影した人がネット上で公開すると、我先にその場所に行って撮影場所を確保、陣取ります。
それが深夜から始まり、100台もの車が集まり、全ての車が違法駐車です。
それも、やはり、餌付け撮影のために、空き缶と虫などを用意しそれを早朝に捕食する瞬間を撮影します。
本来、空き缶の中に嘴を入れて捕食している写真こそがやらせだし、例え近くの枝に止まった写真も不自然なことは、私は直ぐ分かります。
長年、野鳥の生態を観察し、分かっているからあり得ない場所とか捕食の仕方などで分かります。
それよりも、深夜から100人以上の人が同じ場所に集まり、撮影時にはカメラレンズがぶっかったりとトラブルにもなっています。
それだけではなく、出現場所が学校が近くにあったり、住宅にレンズを向けられるので、プライバシーが侵害されたとか?田畑に入り込み、足跡が残ったりと迷惑をかけていることに気付かないことが問題だと指摘しています。
環境破壊は勿論、野鳥を虐待している愛護法違反しています。
私は、その現状を地元の警察署と地元のテレビ局に訴えました。
警察はメールで現状を説明したので取り締まりに動いたと思われます。
私的には、そんなに珍しい鳥を撮影するために、遠方まで出かけ、周りの迷惑も考えずに夢中になり、自己満足のために撮影するほど視野が狭くなり、我先にと良い場所を確認するために、野鳥にストレスを与え、逃げられてしまったら、二度とその場所には近寄りません。
私のように、珍しい鳥、特に絶滅危惧種は、愛護だけではなく、保護の精神を持って野鳥と接したら、マナーはきちんと守るし、そのことを野鳥たちが一番分かっています。
私が珍しい野鳥撮影に拘らず、大勢が集まる場所には行きません。
まだ、コロナ感染が治まった訳ではありません。一箇所に何百人もの人がカメラシャッターをきる音は本当不快です。
野鳥の方がもっと不快だと言うことです。自分がもし、鳥なら「ヤダ、止めと」と逃げたくなります。
ですからせめて鳥の気持ちになり、思い遣れば追いかけたり、餌付けして待ち伏せするようなことはしないはずです。
センスプロデュース研究所、葛西行彦