今年、平成に入り20年が経ったが、丁度、昭和から平成に年号が変わった頃から、世の中では「無臭」傾向が強まった年でもある。
それまでは、タンスの中の洋服もナフタレンという、虫除けの丸い形をした物をタンスに入れたものである。
独特の匂いが洋服に付き、嫌な思いをしたのは私だけではないと思うが、平成に入り「ムシュウダ」やタンスにゴンなどの虫除けの脱臭剤などが次々に販売され、世間では無臭傾向が強まったのである。
他にも、体臭予防の商品も多く開発されている。
口内悪臭予防商品も現在は40種以上開発され、販売されている。
昭和の時代は、これらニオイに関する商品は限られた「医療品」として極わずかであった。
まさに平成は「無臭時代」なのである。
それに伴い、私が以前から指摘し、警鐘を鳴らしていることに「嗅覚の退化」衰退を指摘している。
つまり、悪臭や嫌な臭いも感じ取ることで、ヒトの嗅覚は鍛錬され、同時に味覚も発達するのである。
私達が毎日食べる料理が美味しいと感じるのは、匂いを感じ、味覚も刺激されるからである。
これらの感覚を私共は「共通感覚」という、相乗効果によって料理が美味しいと感じるのである。
ところが、幼い頃から加工食品やインスタント類などを多く食べていると味覚が発達しないが、同時に嗅覚も発達しないのである。
だから、ガス漏れなどに気づかない人達も多いのである。
都市ガスなどは無臭であるので、敢えてタマネギの腐ったような匂いを発生させ、ガス漏れを感じて貰うように工夫されているのである。
だが、これらの臭い匂いを感じない人達が急増しているのである。
これらが危険回避能力の低下に繋がり、つまり脳の低下にも成っているのである。
嗅覚が退化していると言っても過言ではない、嗅覚の退化は危険回避能力が低下するだけでなく、脳も同様に退化すると私は指摘している。
また、最近では体臭にも変化が現れている。私のような中年以降の人達には言葉は悪いが「加齢臭」という、オヤジ臭いなどとイメージされるが、タバコの脂臭い匂いや汗くさい匂いがしていた。
最近は、これらを予防するための石鹸や香水までも販売されている。
中年の人達だけでなく、子供達や若者達にも体臭に変化が現れているのだ。
それは、現在の食生活に深く関わっている。食の欧米化によって肉類中心や多くのスパイスを使用した食事が中心になると体臭にも変化が現れるのである。
私のような世代は知り合いの外国人から醤油臭い体臭と表現されたが、現在はマヨネーズやソース臭い体臭と表現しても良いぐらいである。
私が以前に飛行機の機内で隣の席にインド人らしき人が同席したときには体臭で具合が悪くなるほどだった。(インド人の方々には申し訳ないが)丁度カレーのスパイスの匂いに汗くさい匂いが混じった感じの体臭である。
人の体臭の臭さは、流した汗に雑菌が加わり、その雑菌の死骸が混じって起こるものである。
だから、清潔感が大切なのである。つまり、まめにシャワーを浴びたり、身体を洗うことが重要となる。
特に夏場など汗を流す時期には注意が必要である。
但し、無臭、無菌を好む現代人はあまりに神経質に成っているため、必要な免疫力や抵抗力まで無くしているのである。
つまり、風邪などひきやすく、疲れやすい体質でもある。
これら方々の体臭が欧米型に変化しており、日本人独特の体臭にも変化が現れている。
私が子供の頃のお袋や小料理屋の奥さん達が白粉の匂い、体臭だったのが、動物系の香水の匂いに変化し、日本人の懐かしい体臭、匂いが消えてしまったのである。
同時に、日本人独特の感性(香道)という、日本の文化でもある。匂いを当てる遊びなども極一部の人達の楽しみと成ってしまった。
私は、十数年前頃からヒトの五感、嗅覚などの能力低下を危惧し、多くの方々に警鐘を鳴らしながら、感覚、脳の鍛錬の方法など提唱し続けている。
特に、レストランや料理店などのシェフや料理人の人達には、特に「嗅覚鍛錬」を推進している。
それは、味覚を鍛錬するのは実は嗅覚を鍛錬することで同時に味覚も鍛錬され、「味蕾」という、味を感じる細胞が活性化され、新陳代謝が活発に行なわれることで敏感になるのです。
ヒトの味蕾細胞は10日前後で新陳代謝が起こり、特に加齢と共にこの新陳代謝の能力も低下するので、微妙な味加減が分かりづらくなるのです。
私が提言しているヒトの嗅覚の鍛錬方法は、嫌な臭い(臭い匂い)も感じ取り、色々な匂いを感じることである。
私達が通常感じている匂いは余程鍛錬しないと8種類程度の匂いしか感じていないのである。
仕事柄、香水の調香師といわれる人達は、日々の嗅覚鍛錬によって2000種以上の匂いの違いを感じ取る事が可能である。
その鍛錬は私達の普通の生活では考えられないほど大変な努力の賜である。
例えば、焼き肉や焼き魚、強烈なスパイスなどの刺激物の料理は口にしないし、鼻に刺激の強い物は一切拒否しているのだ。ここまで徹底しているから有名ブランドの香水が誕生したのである。
これらの嗅覚の敏感な人達はフランスでは、優秀な調香師を尊敬の念を込めて「le nez」ル・ネ(鼻)と称している。
普通私達では、8種類~10種類程度の香りしか識別出来ないが、このル・ネの人達は何と2000種の香りを嗅ぎ分けられると言われている。
世界でもル・ネは400名前後しか認定されて居らず、フランス・グラ―スには25%もの人達が認定されているのだ。
これらから「香水の町」と称されている。
フランス・グラ―ス地区には、ジャスミンやバラなどの柑橘系の花々も多く、香水の素になる植物も多いのである。また、19世紀に香科工業の町として発展、世界一の香水の町となったのである。
クリスチャン・ディオールの香水もこの町で生まれたのである。
私達もここまで鍛錬することはないが、せめて10種類以上の匂いを識別できるように鍛錬すれば、可成り五感(嗅覚)の敏感なヒトになれるのである。
私は仕事柄、普通の人の二倍以上敏感である。時には、匂いの変化によって気分が悪くなることもあるぐらい敏感である。
皆様も、五感の達人を目指してみては如何でしょうか、きっと現在の仕事や学業、自己の脳までもが活性化し、敏感になることを実感出来るはずである。
自己の五感を意識し、敢えて悪臭や嫌な匂いも感じ、美味しい料理も不味い料理も食べ比べることである。
それらの体験が嗅覚も味覚も敏感にするのである。
五感の鍛錬は体験の積み重ねで脳に記憶することが重要であることを皆様にご理解頂ければ幸いです。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、
それまでは、タンスの中の洋服もナフタレンという、虫除けの丸い形をした物をタンスに入れたものである。
独特の匂いが洋服に付き、嫌な思いをしたのは私だけではないと思うが、平成に入り「ムシュウダ」やタンスにゴンなどの虫除けの脱臭剤などが次々に販売され、世間では無臭傾向が強まったのである。
他にも、体臭予防の商品も多く開発されている。
口内悪臭予防商品も現在は40種以上開発され、販売されている。
昭和の時代は、これらニオイに関する商品は限られた「医療品」として極わずかであった。
まさに平成は「無臭時代」なのである。
それに伴い、私が以前から指摘し、警鐘を鳴らしていることに「嗅覚の退化」衰退を指摘している。
つまり、悪臭や嫌な臭いも感じ取ることで、ヒトの嗅覚は鍛錬され、同時に味覚も発達するのである。
私達が毎日食べる料理が美味しいと感じるのは、匂いを感じ、味覚も刺激されるからである。
これらの感覚を私共は「共通感覚」という、相乗効果によって料理が美味しいと感じるのである。
ところが、幼い頃から加工食品やインスタント類などを多く食べていると味覚が発達しないが、同時に嗅覚も発達しないのである。
だから、ガス漏れなどに気づかない人達も多いのである。
都市ガスなどは無臭であるので、敢えてタマネギの腐ったような匂いを発生させ、ガス漏れを感じて貰うように工夫されているのである。
だが、これらの臭い匂いを感じない人達が急増しているのである。
これらが危険回避能力の低下に繋がり、つまり脳の低下にも成っているのである。
嗅覚が退化していると言っても過言ではない、嗅覚の退化は危険回避能力が低下するだけでなく、脳も同様に退化すると私は指摘している。
また、最近では体臭にも変化が現れている。私のような中年以降の人達には言葉は悪いが「加齢臭」という、オヤジ臭いなどとイメージされるが、タバコの脂臭い匂いや汗くさい匂いがしていた。
最近は、これらを予防するための石鹸や香水までも販売されている。
中年の人達だけでなく、子供達や若者達にも体臭に変化が現れているのだ。
それは、現在の食生活に深く関わっている。食の欧米化によって肉類中心や多くのスパイスを使用した食事が中心になると体臭にも変化が現れるのである。
私のような世代は知り合いの外国人から醤油臭い体臭と表現されたが、現在はマヨネーズやソース臭い体臭と表現しても良いぐらいである。
私が以前に飛行機の機内で隣の席にインド人らしき人が同席したときには体臭で具合が悪くなるほどだった。(インド人の方々には申し訳ないが)丁度カレーのスパイスの匂いに汗くさい匂いが混じった感じの体臭である。
人の体臭の臭さは、流した汗に雑菌が加わり、その雑菌の死骸が混じって起こるものである。
だから、清潔感が大切なのである。つまり、まめにシャワーを浴びたり、身体を洗うことが重要となる。
特に夏場など汗を流す時期には注意が必要である。
但し、無臭、無菌を好む現代人はあまりに神経質に成っているため、必要な免疫力や抵抗力まで無くしているのである。
つまり、風邪などひきやすく、疲れやすい体質でもある。
これら方々の体臭が欧米型に変化しており、日本人独特の体臭にも変化が現れている。
私が子供の頃のお袋や小料理屋の奥さん達が白粉の匂い、体臭だったのが、動物系の香水の匂いに変化し、日本人の懐かしい体臭、匂いが消えてしまったのである。
同時に、日本人独特の感性(香道)という、日本の文化でもある。匂いを当てる遊びなども極一部の人達の楽しみと成ってしまった。
私は、十数年前頃からヒトの五感、嗅覚などの能力低下を危惧し、多くの方々に警鐘を鳴らしながら、感覚、脳の鍛錬の方法など提唱し続けている。
特に、レストランや料理店などのシェフや料理人の人達には、特に「嗅覚鍛錬」を推進している。
それは、味覚を鍛錬するのは実は嗅覚を鍛錬することで同時に味覚も鍛錬され、「味蕾」という、味を感じる細胞が活性化され、新陳代謝が活発に行なわれることで敏感になるのです。
ヒトの味蕾細胞は10日前後で新陳代謝が起こり、特に加齢と共にこの新陳代謝の能力も低下するので、微妙な味加減が分かりづらくなるのです。
私が提言しているヒトの嗅覚の鍛錬方法は、嫌な臭い(臭い匂い)も感じ取り、色々な匂いを感じることである。
私達が通常感じている匂いは余程鍛錬しないと8種類程度の匂いしか感じていないのである。
仕事柄、香水の調香師といわれる人達は、日々の嗅覚鍛錬によって2000種以上の匂いの違いを感じ取る事が可能である。
その鍛錬は私達の普通の生活では考えられないほど大変な努力の賜である。
例えば、焼き肉や焼き魚、強烈なスパイスなどの刺激物の料理は口にしないし、鼻に刺激の強い物は一切拒否しているのだ。ここまで徹底しているから有名ブランドの香水が誕生したのである。
これらの嗅覚の敏感な人達はフランスでは、優秀な調香師を尊敬の念を込めて「le nez」ル・ネ(鼻)と称している。
普通私達では、8種類~10種類程度の香りしか識別出来ないが、このル・ネの人達は何と2000種の香りを嗅ぎ分けられると言われている。
世界でもル・ネは400名前後しか認定されて居らず、フランス・グラ―スには25%もの人達が認定されているのだ。
これらから「香水の町」と称されている。
フランス・グラ―ス地区には、ジャスミンやバラなどの柑橘系の花々も多く、香水の素になる植物も多いのである。また、19世紀に香科工業の町として発展、世界一の香水の町となったのである。
クリスチャン・ディオールの香水もこの町で生まれたのである。
私達もここまで鍛錬することはないが、せめて10種類以上の匂いを識別できるように鍛錬すれば、可成り五感(嗅覚)の敏感なヒトになれるのである。
私は仕事柄、普通の人の二倍以上敏感である。時には、匂いの変化によって気分が悪くなることもあるぐらい敏感である。
皆様も、五感の達人を目指してみては如何でしょうか、きっと現在の仕事や学業、自己の脳までもが活性化し、敏感になることを実感出来るはずである。
自己の五感を意識し、敢えて悪臭や嫌な匂いも感じ、美味しい料理も不味い料理も食べ比べることである。
それらの体験が嗅覚も味覚も敏感にするのである。
五感の鍛錬は体験の積み重ねで脳に記憶することが重要であることを皆様にご理解頂ければ幸いです。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、