マスカットとマスカットの語源?

2007-09-24 00:00:38 | あじ
いつまでも秋が来ないのだが、秋が宅急便で来た。「アレキサンドリア」。マスカットの高級品である。6房。たぶん、「末端流通価格で20,000円相当」とか言うのだろうか。まあ、ただより高い物はないとか言うが、・・



ところで、ブログ用に少しだけ調べるつもりが深みにはまってしまった。このアレキサンドリアはマスカットの高級品種ということではなく、マスカットの原種のようだ。古代エジプト産。そう、クレオパトラだ。このアレキサンドリアをベースにネオマスカットとかベリーAとかが開発されたようだ。高級品をベースに普及品を開発するという概念は、ちょっとわからない。

甘みは強く、しかしクレオパトラ的な高貴さ(淫乱という人もいる)はその酸味に十分に感じられる。ワインにすると、相当甘くなるはずだ。

そして、マスカットというと、オマーンの首都もマスカット。同じ語源かどうかを調べていたら大仕事になった。なにしろ、数年ぶりにアラビア語の辞書を開く。英語のスペルは、どちらも「Muscat」なのだが、さらにアラビア語的に調べると、オマーンの首都は、Masqattという発音で、ぶどうの方は、Maskatに近いことがわかった。

アラビア語の単語は、ほとんどが三語根といって、子音3つにそれぞれaのついた動詞を語源としていて、名詞はそれらの動詞の派生語になっている。約1時間辞書と格闘してわかったのは、オマーンの首都のマスカットの三語根はsaqattaといって、日が沈むことを指している。おそらく海洋港であるマスカットの海に沈む夕日は鮮やかなのではないだろうか。



そして、ぶどうのマスカットだが、「マスカーテル」という単語がワインを示すことになっている。しかし、マスカーテルというのは、一般的には甘い植物性の匂いのあるお茶の種類をさす。どうも甘い香りのついたお茶というのは、甘口のワインの香りを持ったものを指すようだ。

そして、さらに。このマスカーテルの語根はSakataである。これは、酔っ払うことを意味している。つまり、酔っ払いを語源としてワインということばができたことになる。そして、そのワインの原料として使われていたのがマスカットではなかっただろうか。

しかし、エジプトにしてもオマーンにしてもイスラム国家である。「禁酒」である。しかし、マホメッド登場以前は、いくら飲んでも犯罪ではなかったわけ。つまり、かなり以前はエジプトではマスカットをワインの原料にしていたのに、現代では、その他の国で生食用の果物に名前を残すだけなのだろうか。


そして、既に、アレキサンドリアを食べただけではなく、別の種類のブドウから作ったワインも飲みながら調査してしまったので、これ以上の調査は脳が受け付けないのでやめる。

そういえば、今まで何人かのアラビア語の先生に教わったことがあるのだが、その二人目の先生が小池百合子女史だった。当時は、とりたてのマスカットのような肌の艶だった。