将棋界の真相(田中寅彦著)

2007-09-22 00:00:52 | しょうぎ
9月1日号(チャンスとピンチ)で紹介した、26歳の加來三段の運命は、新人王戦は準決勝で敗退。三段リーグ最終日は2連勝で11勝7敗ということで、もっともニュース性のない形で一応終了。棋界の何ヶ所かで「ホッ」、「ホッ」、「ホッ」・・という声が聞こえ、別の何ヶ所かで「チッ」という声があったのかもしれない。


73dc684f.jpgさて、9月8日に触れた「将棋界の事件簿(田丸昇著)」に続き、その1年前、2004年11月に発行された「将棋界の真相(田中寅彦著)」について。

田丸著は、自らの理事経験や実話に基づき、ドキュメンタリー風な仕上げになっている。自分の意見だけではなく、客観的評価で組み立てるような構成になっている。

一方、この田中書の方は、彼の個人的な意見や、感想、推測などを中心とした構成になっている。もちろん読む方はどちらでも好き好きなので、田中書のように断定的な書き方が好みの人も多い。ただ、客観性は少し落ちて、あくまでも、彼の個人的意見であると言う認識が必要と思う。

羽生さんのことに多くページを割いているが、羽生さんの部分的発言のいくつかから、全体論を組み立てたところもあって、ちょっとなじめないところも感じる。羽生さんは、そんなにも怪物でもない、と思う。

話として面白かったのは、むしろ羽生世代に属してはいるものの、棋士としてのスタートは一歩遅れた藤井元竜王と丸山元名人のこと。同世代から一歩遅れて追いかけなければならないというハンディが、この二人に、特殊戦法である「藤井システム」と「8五飛車戦法」を磨かせ、竜王と名人というビッグタイトルに導いたという仮説を立てている。そういえば「郷田・先崎」はその「選択と集中モデル」に気付かなかったのだろうということなのだろうか。

73dc684f.jpgそういえば、筆者の田中寅彦自身が、「名人候補」と世間の耳目を集めたのが、デビュー後1年だけで、翌年登場した谷川浩司にすべての注目を持っていかれてしまった、というところから出発して「居飛車穴熊」を発掘し、再開発したのだろう、と納得するのである。

先々週、9月9日出題の解答。

▲2一桂成 △同玉 ▲3三桂不成 △1一玉 ▲1六龍 △同龍 ▲1二歩 △同龍 ▲同金 △同玉 ▲3二飛 △2二合 ▲1三香まで13手詰

たぶん、最後の3手を生かした三手詰にすればよかったのかもしれない。


73dc684f.jpg今週の出題は、一見、単純な問題。

だからと言って、13手詰ではない。

序盤がややこしく、中盤がダレて、最後は小技で決める。

わかったと思われる方は、コメント欄に最終手と手数と感想をいただければ、正誤判断。




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