朝、最寄駅で街頭演説をしている政治家がいた。もちろん総裁候補ではない。その総裁選で一票を持つ、地元選出の自民党の衆議院議員。
通勤中というか、まだ電車にも乗っていないので、長く聞いているわけにはいかず、歩きながら1分間、聞いただけなので彼の論旨と異なっているかもしれないが、「今回の総裁選で、党員票がないのが、おかしい」とのこと。選挙制度への批判。確かに、党員になるには、年会費が必要だし、その年会費の最大の見返りが、総裁選の投票権ではないか、ということも言える。
その前に、政局のことだが、安倍首相は慶応病院に入院したまま、いつでてくるかはっきりしない。私の推測では、かつて、ジェンキンス氏が治療目的で使っていた部屋で、彼と同じベッドやソファーを使っているのではないか、と思うのだが、どうなのだろう。それより、入院したのに、臨時首相代行が指名されていないのだが、大国の指導者がそんなことでいいのだろうか(もっとも、朝青龍と同じ病名かもしれないので、いざとなれば、再び官邸に戻り、「やはり、辞めないことにした」と言えばそれでいいのかもしれない。しかし、朝青龍には帰る国があるのに、首相には帰って温泉につかる場所がないのが辛いところかもしれない)。
そこで、安倍総裁が選ばれた2006年の総裁選を振り返ると、
安倍 議員票 267 党員票 197 合計 464票
麻生 議員票 69 党員票 67 合計 136票
谷垣 議員票 66 党員票 36 合計 102票
合計 議員票 402 党員票 300 合計 702票
そして、この党員票300が二つに分かれいて、各都道府県均等配分が47都道府県3票ずつ(合計141票)、残り159票が党員数で比例配分になっているわけだ。
そして今回。国会議員票は387票。党員票は均等配分の141票だけ。党員票の比率は大きく下がった上、予備選挙もあるのかないのかわからない。地元の議員が演説していたのは、その部分の批判だったわけだ。
それで、争点のよくわからない総裁選で大部分の自民党議員の投票の動機となるのが、「自分のクビ」ということなのだろう。つまり、麻生総理では、早晩、民主党と激突ムードになり、やがて総選挙になる。半年内に落選(=クビ)になる可能性が高い。あるいは、民主党に乗換えなければならないかもしれない(3つの政党を渡り歩いて、防衛大臣になった例もある)。それよりも福田総理の方が、残る任期2年を全うできる可能性が高い。実際、2年先に、政権自体どうなっているのか、想定不能だ。
大部分の政治家にとっての最大の関心事は、政権が自民とか民主とかではなく、自分が国会議員であるかどうかということだろう。
ところで、その地方議員の演説場所で、二冊の自民党のパンフレットをもらう。
1冊は、「医師確保問題」。そしてもう一冊は「子育て支援ロードマップ」。
まず、医師確保問題だが、「自民党は、6つの緊急対策で、医師確保を実現します」
1.医師派遣体制の整備
2.病院勤務医の環境改善
3.女性のための環境改善
4.研修医の都市集中是正
5.医療リスクへの支援
6.不足を補う医師の養成
ということだそうだが、元々、医師会からの圧力で、医学部定員をコントロールして医師の平均所得を維持しようとしたにもかかわらず、
医療事故に対する、厚生省の追及により、過疎地区で医師をしていると、労働過重、所得低減、医療ミスによる刑事責任、などのリスク要因だけが高くなり、医師廃業、または、都会の検診医への転進といったことになったのではないだろうか。
また、昨年の横浜の堀病院(産科)の事件では、看護士による診察が違法とされ、厚生省とマスコミと医師会による摘発大合唱があったのだが、結局、病院は不起訴となっている。厚生省は自分の仕事を作りたがっているし、マスコミは不勉強だし、医師会は、これを機に診療報酬の大幅アップを狙っていたのだろうが。それぞれ不発。結局、産科医は24時間営業なので、多くの医師を抱えないと開業維持が困難ということになってしまった。
自民党案にしても、パンフレットを作って、「あるべく論」を書いても、それで医師が踊りだすとは、とうてい思えないわけだ。ムチもなければ人参もない。
子育て支援ロードマップ
駆け込み出産ということが多いようで、その多くは出産費用を払えなかったり、中にはこどもを置き去りにする場合もあるらしい。最近、同じ会社の後輩の奥方が出産したのだが、結局、ある期間、ベッドを予約したりしなければ不安ということになり、かなり余計な出費がかかったようだ。つまり予約ベッドの場合、その分のおカネを払っているのだから、緊急の入院患者にそのベッドを使わせるわけにはいかないわけだ。無駄が無駄を産む例なのだろう。
そして、この自民党の「子育て支援ロードマップ」は既存の”子育て支援制度”をどうやって使えばいいか、というハウツー冊子なのだが、読んでみると、現実の「支援策」が、あまりにプアなことがよーく理解できるわけだ。
通勤中というか、まだ電車にも乗っていないので、長く聞いているわけにはいかず、歩きながら1分間、聞いただけなので彼の論旨と異なっているかもしれないが、「今回の総裁選で、党員票がないのが、おかしい」とのこと。選挙制度への批判。確かに、党員になるには、年会費が必要だし、その年会費の最大の見返りが、総裁選の投票権ではないか、ということも言える。
その前に、政局のことだが、安倍首相は慶応病院に入院したまま、いつでてくるかはっきりしない。私の推測では、かつて、ジェンキンス氏が治療目的で使っていた部屋で、彼と同じベッドやソファーを使っているのではないか、と思うのだが、どうなのだろう。それより、入院したのに、臨時首相代行が指名されていないのだが、大国の指導者がそんなことでいいのだろうか(もっとも、朝青龍と同じ病名かもしれないので、いざとなれば、再び官邸に戻り、「やはり、辞めないことにした」と言えばそれでいいのかもしれない。しかし、朝青龍には帰る国があるのに、首相には帰って温泉につかる場所がないのが辛いところかもしれない)。
そこで、安倍総裁が選ばれた2006年の総裁選を振り返ると、
安倍 議員票 267 党員票 197 合計 464票
麻生 議員票 69 党員票 67 合計 136票
谷垣 議員票 66 党員票 36 合計 102票
合計 議員票 402 党員票 300 合計 702票
そして、この党員票300が二つに分かれいて、各都道府県均等配分が47都道府県3票ずつ(合計141票)、残り159票が党員数で比例配分になっているわけだ。
そして今回。国会議員票は387票。党員票は均等配分の141票だけ。党員票の比率は大きく下がった上、予備選挙もあるのかないのかわからない。地元の議員が演説していたのは、その部分の批判だったわけだ。
それで、争点のよくわからない総裁選で大部分の自民党議員の投票の動機となるのが、「自分のクビ」ということなのだろう。つまり、麻生総理では、早晩、民主党と激突ムードになり、やがて総選挙になる。半年内に落選(=クビ)になる可能性が高い。あるいは、民主党に乗換えなければならないかもしれない(3つの政党を渡り歩いて、防衛大臣になった例もある)。それよりも福田総理の方が、残る任期2年を全うできる可能性が高い。実際、2年先に、政権自体どうなっているのか、想定不能だ。
大部分の政治家にとっての最大の関心事は、政権が自民とか民主とかではなく、自分が国会議員であるかどうかということだろう。
ところで、その地方議員の演説場所で、二冊の自民党のパンフレットをもらう。
1冊は、「医師確保問題」。そしてもう一冊は「子育て支援ロードマップ」。
まず、医師確保問題だが、「自民党は、6つの緊急対策で、医師確保を実現します」
1.医師派遣体制の整備
2.病院勤務医の環境改善
3.女性のための環境改善
4.研修医の都市集中是正
5.医療リスクへの支援
6.不足を補う医師の養成
ということだそうだが、元々、医師会からの圧力で、医学部定員をコントロールして医師の平均所得を維持しようとしたにもかかわらず、
医療事故に対する、厚生省の追及により、過疎地区で医師をしていると、労働過重、所得低減、医療ミスによる刑事責任、などのリスク要因だけが高くなり、医師廃業、または、都会の検診医への転進といったことになったのではないだろうか。
また、昨年の横浜の堀病院(産科)の事件では、看護士による診察が違法とされ、厚生省とマスコミと医師会による摘発大合唱があったのだが、結局、病院は不起訴となっている。厚生省は自分の仕事を作りたがっているし、マスコミは不勉強だし、医師会は、これを機に診療報酬の大幅アップを狙っていたのだろうが。それぞれ不発。結局、産科医は24時間営業なので、多くの医師を抱えないと開業維持が困難ということになってしまった。
自民党案にしても、パンフレットを作って、「あるべく論」を書いても、それで医師が踊りだすとは、とうてい思えないわけだ。ムチもなければ人参もない。
子育て支援ロードマップ
駆け込み出産ということが多いようで、その多くは出産費用を払えなかったり、中にはこどもを置き去りにする場合もあるらしい。最近、同じ会社の後輩の奥方が出産したのだが、結局、ある期間、ベッドを予約したりしなければ不安ということになり、かなり余計な出費がかかったようだ。つまり予約ベッドの場合、その分のおカネを払っているのだから、緊急の入院患者にそのベッドを使わせるわけにはいかないわけだ。無駄が無駄を産む例なのだろう。
そして、この自民党の「子育て支援ロードマップ」は既存の”子育て支援制度”をどうやって使えばいいか、というハウツー冊子なのだが、読んでみると、現実の「支援策」が、あまりにプアなことがよーく理解できるわけだ。