国民宿舎でフグ料理(能登小牧台)

2020-04-24 00:00:23 | あじ
能登の料理と言えば、映画の話になるが「武士の献立」というのがあった。2013年の公開。主人公は春(演:上戸彩)。包丁侍と言われる加賀藩の厨房を預かる料理人の仕事を、無能の息子(演:高良安信)に任せなければならない父の舟木伝内(演:西田敏行)の苦悩を描いた作品で、料理の上手な出戻りの春を見つけ出し息子の嫁にするだけでなく、加賀、能登の海や山の珍味を探し出して絶品レシピを書き残すという「しあわせ後出しストーリー」である。

ついでに、「釣りバカ日誌17」も能登がテーマだ。2006年。こちらにも西田敏行が出演している。珍味探し映画の7年前に下見していたことになる。

能登小牧台の国民宿舎に食事のみをいただきに行く(いただくと言っても、おカネを払う)。

今回の料理の軸は、フグと牡蠣。能登半島の七尾から輪島の間は、日本有数のフグの漁場だそうだ。6種類のフグを総称して「能登ふぐ」と呼ぶそうだ。



まず、先付が「珍味:ふぐの卵巣」 卵巣を一定期間塩漬けするとふぐ毒(テトロドトキシン)が消えるそうだ。これも許可がいるそうなので、マネをしてはいけない。



造りは「天然とらふぐのてっさと鉄皮」 とらふぐである。きわめて薄くスライスして皿の文様を楽しむ地域もあるが、身が薄すぎるのはいけない。ちょうどよい厚さだ。



台物 「ふぐの寄せ鍋」 いわゆるてっちりだろうか。地域により呼び方は様々で、加賀や能登では関西風の場合もあり関東風も場合もある。要するに前田藩は政治は江戸向きで、商売は大坂向きだったのだろう。



焼物 「能登牡蠣の殻付焼き」 いわゆる焼き牡蠣。駐車場には牡蠣小屋もあるのだが、なぜか観光客はほぼいない。



揚物 「能登ふぐの唐揚げ」 フグ料理ではだいたいこれが出てくる。本当は白子の唐揚げがいいのだが、セットメニューに文句を付けるわけにはいかない。



蒸物 蓋をあけて写すのを忘れたが「能登海藻入りの茶碗蒸し」。海藻入りの茶碗蒸しは初めて食べた。

ご飯 汁物 香の物 特に説明はないが、国産米と書かれているが、そうでなければ驚きだ。



赤ワイン 能登ワイン。価格は中だが、国産ではトップクラスの味。運転者は飲んではいけない。警官は少ないが、道路端にはよく絶壁がある。



菓子 栗羊羹。色どりのある菓子皿。加賀の栗は絶品なのだ。金沢の21世紀美術館の中のカフェで栗を使ったデザートが何種類かあって、それもお勧めだが、能登と加賀はまったく別の国だ。


かくして、コロナ禍が押し寄せる直前にあわただしく能登を旅行したのだが、その後、石川県知事が「石川県に旅行に来てほしい」と言い出し、その2週間後に「緊急事態宣言」が発表された。

今年の秋には、奥能登国際芸術祭が予定されているが、無事開催されることを心より祈りたい。7選中の知事の任期がまだ2年残っているのが気がかりだ。