花とアリス(2004年 映画)

2018-09-11 00:00:39 | 映画・演劇・Video
花(鈴木杏)は荒井花であり、アリス(蒼井優)は有栖川徹子である。二人は親友なのだが、ある男子高校生をめぐってもめ事が起きる。

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花がとあることで気絶した男子に、部分的に記憶喪失になったと思わせて、自分が彼の彼女であったと信じ込ませようとする。もちろん、そんなことを簡単に信じる奴はめったにいないわけで、男子は、そうであったことの客観的証拠や証人を探すのだが、もともとウソなのでなかなかつじつまが合わず、アリスもその複雑な人間芝居の中に「元カノ」として組み込まれる。

男子からすると、粘着質で感情の激しい花よりもアリスの方に好意を感じるのだが、何しろ自分が部分的に記憶喪失になったと勘違いしているので、どうすればいいのかよくわからないが、ついにアリスが選んだデザートが、自分が絶対食べないアレルギー食品であったことで、ウソのほころびを見破ってしまう。そして、二人の女子高生から聞いていた話が、一から十まで全部ウソのかたまりであったことを知るわけだ。

「全部ウソ!」最近、金メダルコレクターが呟いた一言だ。彼の息子は金メダルの4年後にオーストラリア国籍を取得し、再度五輪に挑戦したが、選んでもらえなかった。そしてまた日本人に戻っている。やってることが、うそっぽいと思うが。

実は、本来、騙されるのは映画の中の男子高校生だけのはずなのだが、うかつに見ていたせいもあり、私まで騙されてしまった。もっとも、それだからこそ、少女たちの嘘を聞いて、まったく動転してしまったのだが、映画にかかわらず、事実ではないことを事実と誤認してしまい、あとで驚くとか誤認したままになるということは、人生に多数あるのだろうと思う。

そして、画質が少しブルーグレイにくすんでいるのが、映画らしくていい。冒頭にいた米国からの大柄な男子高校留学生だが、何か重要な役目を持って後半に再登場するのだろうと思っていたのだが、米国に帰ってしまったままになった。なんだったのだろう。男子の禅寺の修行もよくわからなかった。