幼き真剣師(沖田正午著 将棋士お香 事件帖3)

2012-09-22 00:00:45 | しょうぎ
時代小説に「将棋」を取りこむことは実際に簡単ではないだろう。

将棋人口が減っている現在、金とか銀とか書いても、何の事かわからない。一方、将棋を知らない人にもわかるように、簡単に書き過ぎると今度は底が浅くなる。また、時代小説の舞台を江戸時代に設定すると、本物の江戸の将棋家元のことを勉強しなければならない。

ところが、本著の著者の沖田正午氏だが、家元制、女流棋士、真剣師(かけ将棋士)を巧みに組み込んだライトノヴェルの主人公に「お香」なる女性真剣師を設定している。将棋高段者を目指していたにも関わらず、国法により禁止されていた賭け将棋のバイトをしていたことが見つかり、破門となった元女流棋士が活躍するわけだ。

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本著では、やはり修行半ばで引退した兄弟子のこども(三兄妹)が、大人を相手に賭け将棋で巨額な勝負を挑んでいるという、まったく救いのない世界を描いている。

ただし水戸黄門の子孫が登場し、決着をつけるわけだ。

ところで、沖田氏だが1949年生まれというので、63歳なのだろうか。最近までグラフィックデザイナーだったというのだが、元奨励会という噂もある。真偽のほどは不明。


さて、9月8日出題作の解答。

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▲3五角成 △2三銀 ▲4三玉 △1三玉 ▲4六馬 △同馬 ▲1二飛打 △同銀 ▲2二飛成 △1四玉 ▲1五歩 △同玉 ▲2五竜まで13手詰。

まあ、いやな変化が多すぎるような気もする。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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特にすばらしい手はない。案外、こういうのが実戦型詰将棋というのではないだろうか。

手数のヒントは、いい表現を思いつかないので、今回はなし。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ正誤判断。