将検2級の例題で考察

2012-09-29 00:00:06 | しょうぎ
10月21日に予定されている将棋文化検定(以下、将検と略。)の2級の例題が難しい、と友人の一人からメールあり。

四題の例題がHPに掲載されていた。

A.現在の将棋における禁じ手(二歩、行き所のないところへの着手、打ち歩詰め)をルール化したのはだれでしょうか。
(1)大橋宗桂一世名人 (2)大橋宗古二世名人 (3)伊藤宗看三世名人

B.木村義雄八段が実力制の第1期名人に就位したのは昭和何年のことだったでしょうか。
(1)9年 (2)11年 (3)13年

C.中学在学中にプロ棋士になったのは何人でしょうか。
(1)2人 (2)4人 (3)6人

D.A級在位のまま亡くなった棋士は4人います。花田長太郎九段、山田道美九段、大山康晴十五世名人と、もう一人はだれでしょうか。

E.A級順位戦での全勝達成者は今までに3人います。中原誠十段(8連勝)、羽生善治二冠(9連勝)と、もう一人はだれでしょうか。

で、Bは13年である。Dの縁起の悪い問題は村山聖。Fは森内俊之(俊雄とか俊行とか書くと×を食らう)。

で、Aは難しい問題なのである。普通に言われているのは二代名人大橋宗古が1636年に著した『象戯図式』の巻末に、将棋治式三ヶ条として、

1.二歩を打つことの禁。
2.千日手の禁
3.逆馬にゆき処なき駒を打つことの禁

を示している。

この他、別の場所で「打歩詰の禁」も示していて、「将棋治式四ヶ条」として伝えられている。また「打歩詰」については、宗古は打歩詰打開問題をいくつか残している。

ところが、禁手のうち、千日手、行きどころのない駒の禁、打歩詰については、将棋の根幹を為す反則ではないのだが、「二歩」については将棋ルールの基本的部分に該当するわけで、もっともっとずっと前から禁止されていただろうと推測できるのである。


それと最大の疑問はCの中学生棋士のこと。加藤、谷川、羽生の三名は正解だが、渡辺明現竜王はどうだったかと、四段昇段パーティを思い出してみる。さらにデータをひもとくと面白いことがわかった。

渡辺竜王が奨励会を卒業したのが中三最後の3月。つまり中学卒業後、高校進学前の4月1日が四段認定された日なのである。しかも彼は中高一貫校に進んでいたため、この問題をかみ砕いてみると、15歳の4月1日は、中学生なのか高校生なのかということに収斂するのだろう。


ところで、友人たちの中に検定を受ける人がいるかといえば、ゼロである。反米主義の人が多いようだ。


さて、9月15日出題作の解答。

b12


▲2四銀 △同玉 ▲1六飛 △5七桂成 ▲1四飛まで5手詰。

動く将棋盤はこちら


今週の問題は、軽めとなった。

0930


昨日(28日)の午前7時に完成の、デキホヤである。手数のヒント。

手数=Xとすると 823,523 823,543は、ある整数XのX乗である。(こちらの方が難問かも)


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。