きびだんごのひみつ

2012-09-28 00:00:01 | あじ
岡山名物の手土産といえば、一に「きびだんご」。二、三がなくて、四に「むらすずめ」、五に「調布」といったところだろう。特に「きびだんご」については、日本名作昔ばなしの一つである「桃太郎」でも、桃太郎の子分であるキジ、サル、イヌを手懐ける小道具として登場するくらい有名である。

また、和菓子の研究家によれば、だんご類は、日本古来の菓子であり、その後中国各地から中国菓子が伝来し、さらにポルトガルなどの欧州から洋菓子が渡来し、茶文化の隆盛などもあり、和菓子が発展してきたということらしい。

つまり、「きびだんごは、和菓子の原点」ということができる。

ところで、岡山のきびだんごと言えば、もっとも有名なのが、「廣栄堂本店」。岡山駅、岡山空港。地元デパートの天満屋でも、もっとも目立つ場所にお土産として各種のきびだんごが詰み重ねられている。

kibi


そして最近、きびだんごの箱の中に入っている栞を、読んでみると・・

きびだんごの発祥が書かれていた。

きびだんごの誕生は安政三年(1856年)です。

備前池田藩の筆頭家老であり大茶人でもあった伊木三猿斉翁のご指導により、初代武田浅次郎の手によって創製されましたが、明治十八年
「日の本にふたつとあらぬ吉備団子むへ味はひに名を得しや是」
という御製を賜る光栄に浴しました。

その後、日清・日露両戦争に於いて、鬼退治の演技のよいお土産として全国に名を知られるようになりましたが、桃太郎のお伽噺とともに大切なお子様たちの健やかな成長をお祈りして安全で健康なお菓子として皆様のご愛顧を賜っております。


ということだそうだ。

つまり、桃太郎の登場は、幕末にペリーが日本に来てから後ということになる。

さらに、きびだんごは日清・日露戦争の時の縁起物となっていたということは、両戦争を「鬼退治」と捉えていたことになる。時節がら、厄介な解釈だ。

となると、現代の鬼退治は、瀬戸内海の鬼が島ではなく、日本周縁部の別の島で行わなければならないのかもしれない。