ピカソコレクション

2011-03-20 00:00:13 | 美術館・博物館・工芸品
毎週、日曜日あたりには、美術館のこととか書いているのだが、そういう気分にもなれない。美術館も金曜までは閉館していたし、週末は買出しに行かなければならない。本当に食べるものに困ってきた。犬のフーズはなんとか手に入れたが、人間もペットフーズに手を出さなければならなくなる。また、ガソリンもないし、使い捨てコンタクトもなくなってきた。ということで、美術館に行くのではなく、自宅にある絵画を鑑賞することにする。

ただ、時節柄、あまり憂鬱なのはまずいし、海の絵もまずい。深刻な題材もちょっと避けたい。

となると、戦前から、わが「おおた家」に伝わる、ピカソコレクション。

ピカソは生涯70,000の作品を残したとも言われるが、例えば毎日、1枚書くとすると70,000の作品を描くには192年かかることになる。ということは、1日平均3作以上は描いていたはずだ。

特に、彼が枚数記録を伸ばしたのは1950年代と1960年代の頃だろう。何しろ、簡単に仕上げている。




まず、1953年の「新年」。男が手にしているのはサンタクロースのお面だろう。サンタクロース役の仕事が終わってほっとした感じだ。




1957年の「花瓶と花」。一体、何の花を描いたのだろう。ゼラ二ウムのような感じだ。スペイン名物の白い花瓶だ。結構割れやすい。バルセロナのピカソ美術館に絵画の買い付けに行った時に、美術館の前の土産物屋で、花瓶も衝動買いしそうだったが、帰る途中で割れる可能性は70%位と言われて、やめた。

ところで、ピカソ美術館はスペイン語では、「ムセオ・ピカソ」と言うようだが、タクシーで、何度「ムセオピカソ!」と怒鳴っても、運転手には、まったく通じなかった。

そのため、ミロ美術館に行く元気がなくなってしまったのだ。当時、ミロ美術館の近くには「首絞め強盗」がウロウロしていると言われていたし、何しろ、前日には、ニセ警官と格闘したばかりだったし。

「警察だが、パスポート見せろ」とか近寄ってきたので、
「ショーミー・ユア・ライセンス」とか言って、たぶんニセモノの安っぽい手帳みたいなのを見せられたので、手帳を取り上げて、

「ノー!ポリシア!」「アイム・ポリスマン・イン・ジャパン」と、こちらもニセ警官になりすまして、突き倒してやったわけだ。




1958年の「花束」。何か違和感がある原因だが、花をつかむ手が、二本とも右手である。ということは、右手が二つある人物を描いたか、あるいは二人で花を握った瞬間を描いたのか。かなり問題だ。モデル代は二人分なら2倍かかる。




1961年の作。「闘牛」。馬に乗った闘牛士が牛退治をするところだ。




そして1961年の鳩の絵。嘴で咥えているのは花々である。平和への使者である。




そして、速描きといえば、別の鳩。何かクレヨン画のようにも見える。これでなければ70,000作も描けないだろうと推測する。