順位戦A級最終戦

2011-03-06 00:00:07 | しょうぎ
将棋A級順位戦は、3月2日から3日の未明まで行われ、6勝2敗だった森内九段が7勝に伸ばしたのに対し、同成績だった渡辺竜王が1敗を喫し、森内九段が羽生名人との名人戦7番勝負に進出。



「永世名人同士の対決」というのは、聞こえはいいが、どちらが勝っても、「ああそうか」ということになりがちであり、盛り上がりも今一つ(二つ)ということになりがちだ。

同時対局の最後に残ったのが森内‐久保戦。終盤の夜12時過ぎの状態で、見た目に森内九段の一手勝ちに見えるのだが、それは素人的に攻め合った場合ということで、A級棋士はそう指さないわけだ。一見、森内九段が決めた、と思われた場面から久保二冠が竜と香の大損交換に出て、受けに出て、どちらも一手スキが掛からない状態になる。

結局、偶然的にどちらも読んでいない局面に至った時に、盤上にある駒の配置というのは、運のようなもので、結局、1時半に決着。最後の方は、たぶん検討してもよくわからないのではないだろうか。


渡辺、丸山戦。後手の渡辺竜王が、先手の得意形である相腰掛銀を選択。ただ、竜王は郷田戦でも後手腰掛銀で新手を披露して失敗。たぶん、そのあたりのリベンジでも考えていたのだろうかと想像。ただ、腰掛銀戦法とか右四間飛車戦法いうのは、スペシャリストがいるわけで、丸山九段は、そのスペシャリストだった。しかも、自身の陥落を賭けた一局だったわけで、竜王のリベンジ願望に付き合う気はまったくなく、手が進むに連れ、ペースをつかんでいく。結局、逆転の目もなく終わる。名人戦用の和服の注文もキャンセルだろうか。

ともあれ、丸山九段がヒエピタで頭頂部を冷やして対局したのには驚いた。流行りそうだが、毛が薄い人や人造毛髪の人には向かないだろう。

ついでに、同じ部屋で並んで指されていた谷川、郷田戦。早い話が消化試合に近い。なんとなく谷川九段の指し手が淡泊。無気力相撲の疑いを持つ。これで来シーズンの順位は7位と今シーズンより一つ落ちる。2006年以来、1位、2位、6位、6位、7位と推移している。今シーズンも4連勝の後の5連敗は、失速というよりも失墜という感じがある。

負けてA級から降級する二人。いじめっ子に殴られたような表情だった。しょうがない。将棋とは、弱い者イジメのゲームなのだ。



さて、2月16日出題作の解答。





右下隅を使って組み立て。主眼は、後半の7手だが、それだけだと味も素っ気もないので、余計な前半を追加したような感じ。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。



今度は右上隅。いわゆる一丁目1番地。ここに玉を置くと、あっけなく詰んでしまうことが多い。江戸時代の有名詰将棋集には、初型の玉の位置を81か所全部のマスを使うことがある。そうなると、この問題は、第1問ということになるのかもしれない。第1問にふさわしく、簡単に詰みそうではあるが、少しは考える必要もあるだろうか。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。