言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

人生初の新幹線

2024年08月10日 11時56分56秒 | 評論・評伝
 一昨日と昨日、栃木県に行つてゐた。自治医科大学が主催する説明会に参加するためだ。
 これまでに日光をはじめとして栃木に行つたことは何度かある。母方の出は栃木である。生前、戦時中の話になると栃木に疎開してゐたときの話題になつたから、たぶん親類がゐたのであらう。栃木には親近感はある。東京に住んでゐた頃に宮城や山形に出かけたことがあつたが、それらはいづれも自動車であつた。あるいはもつと昔、大学時代に仙台に出かけたときはまだ東北新幹線がない頃であつたから、特急列車で行つた記憶がある。
 そこでせつかくだから東北新幹線に乗つて栃木に行つてみようと思ひ立つた。しかし、それが失敗だつた。
 上野で人に会ふ約束があつたので、東北新幹線に上野から乗つたのだが、そのホームが何と地下の深いこと深いこと、驚いてしまつた。更に、列車が15分ほど遅れてゐたので、駅で待つこと20分。しかも私が目指すのは小山駅(上野からだと大宮の次)なので、東海道新幹線で言ふ「こだま号」しか止まらない駅らしい。したがつて、本数が極めて少ない(こだま号は30分に一本だが、それと同じだらう)。
 そして、最も困つたのが、新幹線の種類が多いことであつた。
 上野駅を通る(といふことはすべての新幹線)新幹線には次の5種類がある。
 東北新幹線
 上越新幹線
 北陸新幹線
 山形新幹線
 秋田新幹線
 しかも、それぞれに種類がある。
 東北新幹線(はやぶさ やまびこ なすの はやて )
 上越新幹線(とき たにがわ )
 北陸新幹線(かがやき はくたか あさま つるぎ )
 山形新幹線(つばさ)
 秋田新幹線(こまち)
 これも正確ではないかもしれない。その新幹線は上野は通つてゐませんよといふことがあるかもしれない。つまり、それぐらゐ初めて上野から新幹線に乗らうとすると分からないといふことである。
 しかも、どの列車が東海道新幹線の「のぞみ」や「ひかり」や「こだま」に当るのかさへ分からない。そして、列車は連結されてゐるから、更に分かりにくい。その上、形状も色も違つてゐて混乱するばかり。不安になつてしまつた。上野でお会ひした方からも小山なら在来線で行つても90分だから、さうしたらと何度も言はれたが、東北新幹線に乗りたくて乗ることにしたが、上野駅で20分待つ間にすでに後悔してゐた。
 乗つたら乗つて自由席はほぼ満席、三人席の真ん中が運よく空いてゐたが、外の景色は見えないし、東北新幹線の座席の背が高くて電光掲示板も見えず、圧迫感が強くて居心地が悪かつた。
 大宮駅までは何だかスピードを上げないのはいつものことなのかどうなのか分からないが、これもがつかりの一つである。次の小山駅までは快調であつたが、この駅でかなりの人が降りた。私も当然降りたが、これは通勤列車なのかと思ふほどであつた。
 さすがに帰りは在来線にした。ネットで到着時間を調べると、新幹線と在来線とでなんと1分しか変はらなかつた。接続が悪いのだらう。

 東北新幹線は、仙台に行く時に使はう。それが私の教訓である。そして、もう少し下調べしてから乗ることにしよう。よく分からない!

 それにしても東海道新幹線は分かりやすい。慣れによるのかもしれないが、洗練されてゐるやうな気もする。

 すべて〇〇新幹線「のぞみ」「ひかり」「こだま」ではいけないのだらうか。初めての旅行者や外国人にはたいへん分かりにくいのではないか。
 そんなことを感じた栃木来訪であつた。




コメント
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