言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

犬塚勉の絵を観る。

2017年09月10日 21時55分49秒 | 日記

 二週間ぶりに休みが取れたので、県内の美術館でやつてゐる「リアルのゆくえ」展を観に出かけた。高島野十郎の絵との再会も楽しみであつたが、なんといつても今回はスーパーリアリズムと呼ばれる写真のやうな絵画を描く犬塚勉の絵を観るのが楽しみであつた。

 ここに貼り付けることはご法度だらうから、犬塚勉の公式ホームページを張り付けておくので興味のある方はご覧ください。そこに出てゐる「梅雨の晴れ間」(1986年)と、ホームページの作品紹介にある「林の方へ」(1985年)とを観た。そこには人の姿はないが、ありありと人間の生活や存在のぬくもりを感じるやうな作品であつた。写真の誕生で絵画がリアルであることを放棄してきた長い時間があつたが、かうして再びリアリズムを捕まへやうとしてゐる。この間に得られた技術と、それを支へる画家のモティーフの強靭さを思ふと、何か勇気を与へられたやうな気がした。

 絵画がまた魅力を持ち始めてゐる。大袈裟に言へばさう思はせてくれる絵であつた。

 9月18日まで碧南市藤井達吉現代美術館。

 その後、姫路市に巡回する予定のやうだ。

 姫路市立美術館 2017年9月23日〜11月5日

リアル(写実)のゆくえ〜高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの
木本文平,山田真規子,土生和彦,安部沙耶香,品川ちひろ
生活の友社
   
 
 
写実画のすごい世界
月刊美術
実業之日本社

 

 

 

 

 

 

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