言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

MITSUBISHIを責めるのは簡単だけど

2016年05月12日 11時38分29秒 | 日記

 日本は「物づくり大国」である。それが自他ともに認める我が国の評価であらう。

 日本を代表する企業は、トヨタであり、日立であり、パナソニックである。商事も物産もあるし、ソフトバンクもNTTもあるけれども、やはりモノづくりの品質の高さを褒められると、顔がほころんでしまふ。工程管理の精緻さ、できあがつた製品の完成度の質の高さが、私たちの国民性ゆゑのものであると思はれるからである。

 その点で、三菱自動車のこの度の燃費不正問題は、おほごとである。燃費重視の自動車乗りとしても、今回の件は、がつかりした一見である。3年前まで、三菱自動車の販売店に勤めてゐた知り合ひがゐて、今回の不祥事を知つて、早くやめておいて良かつたなと内心思つたりもした。

 その知り合ひが勤めてゐた時には、何度か購入を意識して店を訪ねたが、魅力ある車がなかつた。知つてゐる人は知つてゐるだらうが、三菱の軽自動車には「i」といふ卵型をして、後ろにエンジンがついた車があるのだが、デザインが気に入つて試乗もしたが、内装のチープさに驚き、150万円超えでこの内装はないなとその知り合ひに伝へて断念した。私は、燃費と共にデザインや内装も重視するので、購入には至らなかつたが、買つてゐたら、今頃どういふ思ひでゐたであらうか。

 燃費は、運転する人次第である。だから、たぶんあまり気にしないのではないかと思ふ。以前乗つてゐた車には、燃費を競ふサービスがついてゐて、私は全国9位を取るほどの燃費重視派である。愛知県に引越してからは高速に乗ることが多くなつたことがその原因であらうが、同じ車種に乗りながら、1リッターあたり5キロほど、私より燃費が悪いのが平均値であつた。カタログ上は私より1キロ下である。つまり、平均値は8キロ、私は13キロ、カタログ値はは12キロである。これほどに燃費とは当てにならないものである。

 もちろん、工業製品は同じ基準で性能を測らなければならない。それはさうだ。だから、今回の三菱の事件を擁護しようとも思はない。しかし、所詮乗る人の乗り方によつてこれほどに変はるものなのに、あれほど目くじら立てて、鬼の首を取つたかのやうに、連日報道するのもどうかと思ふ。以前のリコール隠しとは次元の違ふ話だ。あの時の事件以来、再建に尽力してゐた益子会長の憔悴した表情を見てゐて気の毒に思ふ。

 日産の傘下に入るといふことになるらしい。ゴーン社長の下、ルノーの下の日産の下に三菱が入るなんて、じつに屈辱的ではある。臥薪嘗胆、いつの日か復活を願うばかりだ。

 この際、高級車を目指したらどうか。三菱のブランドを使つてレクサス張りの高級車作りを期待したい。販売網があるから、そんなことは無茶な話ではあらうが、同じやうな車を作つてゐても大衆は見てくれないだらう。

 販売店の営業マンの教育、店の雰囲気づくり、それは日産から学べると思ふ。トヨタより、その点では日産の方が一日の長がある。

 

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