ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

大河・かこがわ(63) 古墳時代(30) 時光寺古墳(高砂市阿弥陀町)

2019-10-04 09:28:41 | 大河・かこがわ

     時光寺古墳:高砂市阿弥陀町

 時光寺(じこうじ)の裏手に小高い丘があります。

 そこに、径46メートル・高土6.6メートルの円墳・周溝を持った二段の古墳があります。

 墳頂部には方形埴輪列と、外周に円形埴輪列、この墳頂周辺からは、甲冑・盾・靭(ゆき:矢を入れて背負う筒状の道具)・家・鶏形埴輪の断片が相当量出土しました。

 段部にも円筒埴輪がめぐっていたようで、崩れ落ちていましたが、この段の部分には馬形埴輪があったようです。

 墳頂のほぼ中心部には写真にあるように、石棺が東西に直葬されています。

 蓋の形は、かなり背の高い半円形に近い蒲鉾状断面形で、両長辺にそれぞれ二個の縄掛突起を持っています。

 全体に丁寧な作りで、石棺蓋全長は228センチメートル、幅は85センチメートル、突起を含めると123センチメートルです。

 長持形石棺とすれば小形の棺です。

 この棺は、蓋が露出されただけで、それ以上の発掘は行わないまま埋め戻されました。

 ただ、盗掘は受けていたようで、蓋石が僅かにずれており、下に棺身が存在したことは確かであったようです。

        消えた古墳群

 たまたま、この地が、瓦やレンガの生産に適した土層であったことから、その地に築かれていた古墳は、その後の瓦生産や、また近代・現代の土取り工事で、破壊され消滅してしまったようです。 (no4762)

 *写真:時光寺古墳頂上部発掘状況(梅原章一氏撮影・『高砂市史・第一巻』より)

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