樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ビジネス街のサワフタギ

2006年11月22日 | 樹木
大阪のビジネス街のど真ん中、御堂筋と本町通りの東南角は現在工事中です。そのフェンスに樹木の絵が描いてありました。



しかも、サワフタギとかサルトリイバラ、クサギといった一般的にはあまり知られていない、言わばマニアックな樹種もあります。アラカシ、クヌギ、ヤマボウシ、コブシなども含めて全部で12種類の樹の葉や花、実が描かれています。
写真のサワフタギは、沢(谷川)をふさぐように繁るのでこの名があります。また実が青く、枝を牛の鼻輪に使ったので、別名ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)。初夏には、樹を覆うように白い小さな花がいっぱい咲きます。



この工事の主体は積水ハウス。「環境のいい街は、環境にいい街になる。」というキャッチフレーズも書いてあるので、多分タワーマンションを建設するのでしょう。ちなみに、同業者として言わせてもらえば、このキャッチフレーズはいまいち伝わりにくいですね。よく考えないと意味が理解できない。



近くにもうひとつ工事中のフェンスがあって、そこにも木の写真が掲出されています。こちらはケヤキの若木でしょうか。ツリーウォッチャーとしては、こういう投げやりな(?)フェンスよりも、多様な樹種を丁寧に描いた積水ハウスのフェンスに好感を持ちます。「ほとんどの通行人が知らない樹の絵をよくぞここまで描いてくれました」と拍手を送りたくなります。
でも、結局は荒々しい工事を隠すために樹木が利用されているだけのことですけどね。サワフタギというよりもコウジフタギ・・・。
コメント (6)
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