樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

庭木の王の王

2006年11月20日 | 伝説の樹
京都市伏見区にある海宝寺というお寺にモッコクの巨木があると知って、カメラ片手に出かけてきました。

      

そのお寺はいつも私が渋滞を避ける抜け道にあって、秀吉が伏見城にいた頃は伊達政宗の屋敷だったそうです。境内にその経緯を説明した看板があるのですが、面白いことにその看板は仙台市の名前で立ててあります。伊達政宗の地元の仙台市がわざわざ京都のお寺で説明しているのです。こういうのは初めて見ました。
この辺りの地名は「桃山町正宗」、私が利用していた抜け道は「伊達街道」。独眼流政宗の影が色濃く残っています。

      
       (葉の軸が赤いのがモッコクの特徴)

モッコクという名はあまりご存知ないかもしれませんが、「庭木の王」と呼ばれていて、園芸の世界では優等生です。個性がないので私は好きになれませんが、葉に光沢があって美しい、手がかからない、大きくならないので剪定も不要など、庭木にするにはいいことずくめです。
大きくならない樹なのに、こんなに大きな海宝寺のモッコクは相当な樹齢のはずです。伊達政宗が自ら植えたといいますから、その時点からでも約400年になります。
モッコクが「庭木の王」なら、この海宝寺の樹は「モッコクの王」。幹に巻かれた布が痛々しいですが、もうしばらくは王座に君臨できそうです。
モッコクはツバキ科。沖縄では重要な建築材で、首里城にも使われているそうです。
コメント (2)
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