樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ノアの箱舟もキューピッドの弓も

2006年10月04日 | 木の材
以前、野球のバットを製造する際に出るアオダモの端材で作ったボールペンがある、とguitarbirdさんのブログで知って私も買いました。商品名は「ジャストミート」。私はシャーペンにしました。

      

現在、松井やイチローをはじめプロ野球選手が使っているバットは、主に北海道産のアオダモで作られています。昔は本州産のトネリコを使っていたそうですが、供給不足になってアオダモに切り替わったようです。トネリコもアオダモもモクセイ科トネリコ属、材質はほぼ同じだそうです。
トネリコ属の木は欧米ではash(アッシュ)と呼ばれ、バットのほかアイスホッケーのスティックやボートのオールなどに使われています。スポーツには欠かせない木材なのです。

そのほか、エレキギターのボディなどにもホワイトアッシュがよく使われているようです。さらに、ある樹木学者は「ノアの箱舟について、以前はイトスギで造ったという説があったが、現在ではイエローアッシュというトネリコ属の木で造ったという説が有力である」と書いています。
どんな根拠があるのか知りませんが、イトスギ説を否定する何かがあるのでしょう。ついでに、キューピッドが持っている弓もトネリコで作られているそうです。

トネリコという妙な名前には由来があります。この樹の枝にはカイガラムシがついて、白い蝋物質を出すそうですが、それを戸の溝に塗ると滑りがよくなるので「戸塗り木」。「木」は「木霊(こだま)」のように「こ」とも発音するので、「トヌリコ」から「トネリコ」になったという説です。
コメント (4)
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