樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

車に強い車輪梅

2006年10月03日 | 街路樹・庭木
みなさんも高速道路を利用されることがあると思いますが、中央分離帯に植えてある樹を見たことがありますか?
私の知る限り、シャリンバイが多いです。理由は簡単、排気ガスに強いから。
シャリンバイやウバメガシなど、もともと海辺で育った樹木は塩分を排除する仕組みを持っていて、それが排気ガスも排除するようです。そのほかに、手入れが不要とか大きくならないといった特徴を持つ樹が中央分離帯に植栽されています。
高速道路の中央分離帯だけではなく、車の通行量の多い歩道脇などにも植えてあります。先日、大阪の街を歩いていたら、大きな交差点の角に植えてありました。

      
      (大都会の真ん中で、健気にも実をつけています。)

「車輪梅」の名は、葉が車輪のように広がってつくためと、花が梅に似ているから。昔から車には縁の深い樹だったのです。
運転中はだめですが、後部シートに乗ったときか渋滞に巻き込まれたとき、一度中央分離帯の樹を見てやってください。排気ガスにまみれながら、健気に私たちの目を楽しませてくれています。
奄美大島では、このシャリンバイを「テーチ木」と呼びます。皮と根を乾燥させて煎じた汁で染めたのが大島紬。シャリンバイにはタンニンが多いので、あの独特の深い色が出るそうです。伊豆七島では、シャリンバイの樹液を魚の網を染め、実は食用にするそうです。
コメント (2)
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