樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

世界一の並木道

2006年10月19日 | 街路樹・庭木
先日、3ヵ月ぶりに訪れた「栃の森」で、スギの落葉の美しさに目を奪われました。杉林の林床に黄色や茶色、緑のスギの葉がいっぱい落ちていて、日本画を見ているようでした。
この森には10年以上通っているのに、スギの落葉に感動したのは初めてです。樹を見るようになって7~8年ですが、広葉樹にしか興味がなかったので今まで見過ごしてきたのでしょう。
スギの場合、正確には落葉というよりも落枝(らくし)と言うべきかも知れません。

      

スギは日本特産で、1属1種。京都の北山杉のほか秋田杉や吉野杉などがありますが、樹木としてはすべて同じです。昔から木材として幅広く使われてきましたし、神社や寺院にも宗教的な意味のある巨木が残っています。
意外なことに、世界一長い並木道が日本にあって、それも杉の並木道。日光東照宮の参道にある杉並木は総延長距離が37kmもあり、ギネスブックに登録されています。植えられているスギの数は12,500本。

      
      (日光の杉並木ではありません。栃の森の杉林)

ところが、樹齢400年でそろそろ寿命を迎えていること、排気ガス、住宅と道路に挟まれて根を張るスペースがないことなどから、年間100本ほどが倒れるそうです。国の天然記念物と特別史跡の二重指定を受けていますが、そのうち世界一ではなくなるかも知れません。
杉並木と言えば、東京都には杉並区という区があります。江戸初期、このあたりの領主が境界を定めるために、青梅街道沿いに杉を植えて並木をつくったのがその由来だそうです。

コメント (2)
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