ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ビザンツ聖歌はいかが?

2006-02-08 04:07:52 | CD/DVD
朝までに原稿を2つ入れなければならないのだが、ちっとも書く気にならない。こういう時にはまったく関係ないことをするのが一番。いつもならドライブというパターンなのだが、すでに午前3時を回っている。締め切りがなければ出掛けてしまうところだが、そうもいかない。そこで別の方法を考えてみることにした。

ふとCDライブラリーに目を向ける。すると1枚のCDが浮き上がって見えた。それがこの「ビザンツ聖歌」のアルバムである。ま、たまには聴いてみるか。気分転換になるかもしれない。

ビザンツ聖歌とは、いわゆる東方教会で演奏される音楽のこと。一般に我々の耳に馴染みのあるのはグレゴリオ聖歌だが、両者はいわば対極のものといってよい。グレゴリオ聖歌はその後カトリックの教会音楽に発展する。だから我々のイメージしている西洋の教会音楽がグレゴリオ聖歌なのはそういう経緯があったわけだ。

これに対して、ビザンツ聖歌は歴史の上では1453年にコンスタンティノポリスの滅亡とともに終結した「はず」だった。制度のうえでは存在しない音楽なのだが、実際のところはちゃんと東方教会で歌われている。ことわざに「人の口に戸は建てられない」というのがあるが、音楽にも似たようなことが言える。社会制度とは無関係に教会が存在する限り、この種の音楽は伝えられてゆく。こうしてビザンツ聖歌は今も聴くことができるのである。

ではビザンツ聖歌はどのような音楽なのか。一言で表現するなら、低音のドローンのうえにメリスマのきいた単旋律のソロで歌われる音楽である。メリスマの仕方がまさに東洋を思わせる。そのためこの音楽にインドのシタールが加わったとしても全く違和感は感じられないだろう。もちろんこれは教会音楽だからシタールとの「共演」などあるわけはないのだが。

それにしても、ここでソロを務めているシスター、マリー・ケイルーズ(Marie Keyrouz)の声は何とも色っぽい。ちょっとゾクゾクしてしまうほどだ。このアルバムではビザンツ教会で行われる一週間の儀式のための音楽が収められている。たとえば月曜日のアッレルーヤから始まり、復活祭の日曜日までという具合。毎日こんな声で歌われたら、さすがのキリストさんも復活したくなるわな…。いや、失敬、失敬。

さて、仕事、仕事。
コメント    この記事についてブログを書く
« 犬のように喜ぶ | トップ | ひたすら走る »

コメントを投稿

CD/DVD」カテゴリの最新記事