ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ペータースとレーニシュ

2007-11-12 18:16:51 | CD/DVD
友人からいただいた映画『善き人のためのソナタ』のDVDを観る。これは2006年に制作されたドイツ映画で、第79回アカデミー最優秀外国語賞を受賞した作品。ストーリーについては見てのお楽しみということで、ここでは書かない。

映画を観ていても音楽のことに関心が向いてしまう。嫌だなあと思うけれど仕方がない。職業病だなと諦めることにしている。

この作品で音楽を担当しているのはガブリエル・ヤーレ(Gabriel YARED)。ヤーレは1949年にレバノンのベイルートで生まれた作曲家で、69年にフランスを訪れた際に部外者でありながらエコール・ノルマル・ド・ミュジックでアンリ・デュティユーに作曲理論を学んだという経歴の持ち主。オフィシャル・サイトにはなぜか日本語もセレクトできたりするが、そこでの表記はヤーレでなく「ヤレド」。ヤーレというのはフランス語的な読み方であり、ヤレドはおそらくアラビア語による読み方なのかな…知らんけど。

彼はこれまで多くの映画音楽を手がけている。有名なところでは『イングリッシュ・ペイシェント』(1996)や邦画『Shall We ダンス?』(1996)のリメイク版である『Shall We Dance?』(2004)などがある。

さて話を『善き人のためのソナタ』に戻そう。観ていて気づいたことが2つあった。ひとつは劇作家ドライマンが誕生パーティーで演出家イェルスカからプレゼントされた楽譜のこと。この楽譜のタイトルこそ「善き人のためのソナタ(SONATE VOM GUTEN MENSCHEN)」なのだが、ワシが注目したのはそこではない。「この楽譜ってさ、ペータース版じゃん」ってことだ。

映画のオフィシャル・サイトによると、この曲はヤーレの提供したオリジナルという。で、ペータースからヤーレの作品が出版されているか調べてみたが、該当するものはない。うーん、どういうことなんだろうな。わからん、わからん。

もうひとつの気づいたことはピアノのこと。イェルスカが自殺した知らせを聞いた直後、ドライマンはピアノに向かい「善き人のためのソナタ」を弾く。いい曲だなあと思っていたら、映像にピアノ・メーカーの名前が出た。

おっ、レーニシュじゃん。このメーカーは我が国ではほとんど馴染みがない。会社は1845年にカール・レーニシュがドレスデンで開業。以来、現在まで続いている会社だ。

この映画は心に響くなかなかの名作だと思う。だが、実質的な主人公であるヴィースラーを演じていたウルリッヒ・ミューエが今年の7月22日に胃がんで亡くなっていた(享年54歳)のを知り、さらに切ない気持ちになった。合掌。(参考サイト
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