ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

文豪はタダモノではない

2004-08-02 23:56:23 | 脳みその日常
一芸に秀でることは、容易いことではない。
ましてや、自分の専門以外の領域で玄人はだしの作品を残せるとしたら…
そりゃもう、天賦の才能があったとしか言いようがないな。

アップした画像は、オモシロ企画のCDであーる。(KKCC 3007)
これはロシアの文豪と呼ばれる人々が、実は作曲もしていたから聴いてね、というもの。
収録されているのは、トルストイ、グリボエードフ、パステルナークなどなど。
いずれもロシア文学の世界では重要な役割を担った人物たちである。

もちろん彼らは「趣味」として作曲したに違いない。
同時代の作曲家の作品などと比較すれば、確かにパッとしない小品ばかりである。
だからといって、「なんだー、ダメじゃん」と切り捨てるのは簡単だ。
繰り返すが、これらはあくまで趣味で書かれた作品なのである。
その視点でとらえるならば、「いやー、すごいねえ」といわざるを得ない。

たとえば、オドエフスキー(1803-1869)の《ワルツ》なんてロマンチックだぞー。
この人は本業のほうでは『ロシアの夜々』などで知られる作家であるが、
実は音楽評論家としても活躍したことで知られている。
おそらく音楽の素養もあったのだろうな。
でも、注目はパステルナーク(1890-1960)の変ホ短調の《前奏曲》かもしれんな。
まるで、作曲家スクリャービン(1872-1915)のパクリだもん(笑)

このCDには、文豪のほかにも画家や舞台芸術家などが作曲した音楽も収録されている。
トレチャコフ美術館に収蔵されている『長官からの結婚の申し出』(1848)で知られる画家フェドートフ(1815-1852)の歌曲などは実に可憐だ。
また、ロシア・バレエ団を主宰したディアギレフ(1872-1929)の歌曲も、なかなか聴き応えがある。

一聴をオススメしたいCDだ。
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