ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

悪気のない毒

2009-07-09 05:22:22 | 脳みその日常
かれこれ10年ほどの付き合いになる社長の話です。この人はとてもいい人なんですが、まあ「口が悪い」。平気で毒を吐くんです。先日、あるモノを注文したいと話したときのこと。

「ああ、それなら二種類あるよ」
「そうですか…。じゃあどっちにしようかな」
「貧乏人には安いほうがいいんじゃないの?」
「……。あは、あは、あはは」

う~ん、まあ、貧乏人であることは否定しません。でもねえ、直球すぎて一瞬次の言葉が出てきませんでした。今風の言葉でその時のワシの気持ちを表現するなら「言うよねぇ~」です。

でも、社長の真意はわかっています。別に上から目線で発した言葉ではないんです。なぜならワシのようなフリーランスのライターの懐具合のことをよく知っているからなんです。だから時折「よくひとりで頑張ってるねえ。感心するよ」なんて声をかけられるのですが、ワシにしてみれば別に頑張っているわけじゃないし、感心されることでもありません。ただ、万年貧乏なだけで…(苦笑)

で、互いに気心が知れているのでこちらも毒を吐き返してやります。

「そうっすね。貧乏人ですから安いほうにしときますよ」

社長、この時思わず苦笑です。「あたた、ちょっと言い過ぎたな」っていう顔をしていました。でもワシの「口撃」はまだ続きます。

「まあ、確かに貧乏ですけど、心の中は豊かですよ」

いえ、これは嫌みじゃないんです。意にそぐわない仕事をして大金を稼ぐより、毎回納得できる仕事をするほうがいいと考えているからです。そうした類いの仕事ってのはだいたい相場が安いと決まってます。でも安易に妥協するよりもやり甲斐のある仕事をしていたい。

こういうスタンスを社長は知っているので時に強烈な毒を吐きますが、ワシに協力的だったりするのです。所持金がなければツケにしてくれますしね。ワシにとってみれば本当にありがたい存在でもあります。
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