ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

見応え充分!…伊豆野頭首工

2022-11-14 08:34:08 | 宮城(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は宮城県栗原市一迫真坂柳原(いちはさままさか やなぎはら)にある北上川水系の伊豆野(いずの)頭首工を訪れます。アクセスは県道178号沿いにある伊豆野せせらぎ公園から入っていくと到着します。

いかにも「映え」のする五人衆といった感じ。おや? この色彩、どこかで見た覚えが。そうだ、以前訪れた小田(こだ)ダム川台頭首工と同じです。これら二つは長崎川繋がりなので関連性があるのはわかります。でも、伊豆野頭首工は一迫川に設置されたもの。色味が同じなのは偶然?それとも発注元もしくは施工業者が同じ?


ところで、頭首工名の「伊豆野」の由来が気になります。右岸の頭首工横に案内板があり、そこにも書かれていますが、調べてみるとこのサイトに詳細が出ているので興味ある方はお読みください。まあ、要するに「伊豆野」と言うのは江戸時代の1600年代に現在の東北新幹線の「くりこま高原駅」の東側付近の呼び名で、ここを新田開発する目的で1646年に作られたのが「伊豆野堰(いずのぜき)」でした。この「伊豆野頭首工」は「伊豆野堰」の上流180mのところに築造されたもので、完成は1997年3月。右岸部の取水口は伊豆野幹線用水路に接続しているそうな。


案内板の近くにあるクリーム色の建物は管理棟のようですが、その壁面には水利使用標識が貼られています。



では順を追って見ていきましょう。迫川(はさまがわ)上流方向の様子。この上流に花山ダムがあり、それを経た迫川の水がこの伊豆野頭首工に辿り着きます。


右岸、上流側から見た頭首工の様子。写真右側のところが取水口で、

ここから取水された水は、

こちらへ流れてきて、

あちらへ流れてゆきます。これが伊豆野幹線用水路。

そのすぐ先には使用目的不明の水車があります。モニュメントみたいなものでしょうか。


右岸、頭首工の横から見た様子。


頭首工本体に貼られたプレート。ゲートの竣工は1997年3月なので、これは完成当時のままのようです。


魚道は右岸側にあります。


頭首工を経た迫川の水はもう少し下流へ行くと秋山頭首工(次回の記事)に辿り着くことになります。


頭首工の右岸の下流側にはセンスのある公園が整備されています。



どうやらこのデザインは頭首工の完成に伴って撤去された「伊豆野堰」のミニチュア版として復元したもののようです。


公園内には「恵水謝恩」と刻まれた石碑。伊豆野頭首工を含む迫川上流地区のかんがい排水事業が着工から27年を経て完成したことが記されています。



「伊豆水神碑」。この石碑は昭和5年(1930年)に「伊豆野堰」開削に関係した伊達藩二代藩主忠宗(1600-1658)、その命を受けた奉行古内主膳重廣(ふるうちしげひろ:1588-1658。主膳は通称)、仙台藩士で郡奉行そして工事責任者だった川村孫兵衛元吉(かわむらもとよし:1622-1692。孫兵衛は通称)の3人をこの地域の永遠の大恩人としてその遺徳を追慕する目的で現在地から下流110mのところに建立されたものだそうです。ところが伊豆野頭首工を含む伊豆野幹線用水路改修工事により移設を余儀なくされ、この地へ移されたそうな。




公園内にはさらに白鳥省吾の詩「埋もれた口碑」が。これは1921年に書かれた詩集『楽園の途上』所収の作品(参考)。そういえば、花山ダムにも栗駒ダムにも白鳥の碑がありましたね。


いや〜、歴史のある伊豆野頭首工。見どころあり、学びありの場所でした。
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