ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

珍しいモノ

2005-11-12 11:36:21 | 音楽あれこれ
脳みそがボーッとしていてネタが思い浮かばないので珍しいモノを紹介。それはズバリ、伊福部昭(b.1914)が著した『管絃樂法』である。伊福部といえば映画『ゴジラ』のテーマ曲を書いたことで最も知られている。その彼が『管絃樂法』を書いたなんてどこが珍しいのさ?と思う向きもあるだろう。

そう、確かに伊福部の『管絃樂法』は1953年に上・下巻として完成しているし、まあそれほど珍しいモノではないかもしれない。しかし、ここにアップしたのは東京芸大の前身である東京音楽学校同聲會が出版した「通信教育用」の教科書である。音楽之友社から出版されている上・下巻の『管絃樂法』は知っていても、さすがにこちらの存在を知っている人は少ないのではなかろうか。

教科書が作られたのはたぶん1940年代後半であろう。「あろう」というのは、この奥付には出版年が記されていないからである。というより、奥付そのものがないのだが…。

この教科書は全部で四巻からなる。内容は音楽之友社のものとさほど大差あるわけではない。それにしても驚かされるのはこの時代にこれだけの内容をまとめていることだ。もちろんリムスキー=コルサコフ(1844-1908)やピストン(1894-1976)がそれぞれすでに『管絃樂法』『和声法』を記しており、伊福部はそれらを参考にしたには違いない。

しかし、その事実を差し引いて考えてもよくこれだけの大著を完成させたものだと感心するばかりだ。
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