十代の少年の指に全員が乗っかる図

2020-06-25 00:00:20 | しょうぎ
藤井聡太七段が棋聖戦に続いて王位戦の挑戦者に決まる。8つのタイトル戦のうち、早くも二つを手に入れる可能性がある。

そもそもデビュー以来29連勝という信じ難い記録を打ち立て、勝率は8割を超えているのだからいずれこの日が来るだろうと思っていた(当たり前だが、全棋士の平均勝率は5割ちょうどだ)。コロナ禍の中で、対局係が英知を絞って彼のためのスケジュールを作ったのだろう。



たまたま、少し前に所用で千駄ヶ谷の将棋会館に行った時に、敷地の入り口にポスターが二枚あって、一枚は江戸初期から続く伝統ある名人位を争う名人戦のポスターだが、もう一枚は藤井七段の写真が用いられた子供用の将棋練習グッズのポスター。要するに、彼の写真が玄関前にほしかったのだろう。ここに対局に来るプロ棋士は、すべて写真を拝んで入館することになる。

つまり、彼のお陰で、新しいトーナメントや解説会や、棋士が関与している将棋センターの実入りが良くなったり、波及効果が絶大なはずだ。

男性棋士、女性棋士、将棋連盟社員、関係者を含めれば250人ぐらいの所帯だが、その存亡の命運を最も年齢の若い十代の若者の指にたくしているわけだ。

あまり、そういう先例を知らないが、確かフランスとか長崎県にそういう史実があったような気がするが、縁起でもないので忘れておく。