市ヶ尾彫刻プロムナード『アリア』

2020-06-07 00:00:07 | 市ヶ尾彫刻プロムナード
市ヶ尾彫刻プロムナード第8回は、『アリア』。日高頼子製作。



解説があり、『大自然への感謝』『人類の平和』『明日への活力』の祈りを込めて詠唱する姿だそうだ、

特に、オペラの中で抒情詩を歌い上げるスタイル。個人的な推測では欧州では一般的だった「吟遊詩人」と歌劇が合体したものといえるだろうか。

コロナ禍の中で、youtubeなどでミュージシャンが盛り上げソングをやっているのとつながる。ただ、この彫刻が置かれたのが平成3年(1991年)。まだ欧州の一角では戦火が消えていなかったし、普賢岳爆発とか自然現象はおかしくなってきていたし、バブルははじけたのにジュリアナ東京オープンの年。おかしなことばかり起き始めた頃だ。

彫刻家の日高頼子さん。二科会の重鎮だそうで、作品は全国の街角に置かれている。だいたい市ヶ尾の『アリア』と同じように、人間の体の各部をディフォルメして創っている。顔はどうも女性のようだが、全体の体系はギリシア戦士のようにたくましい。



とはいえギリシア神話によれば、元々、創造主は人間を全部男にしてしまったのだが、もっと罪深い存在にするために、男の数と同じ人数の女を創作したそうなので、男と女の形が似ているのも無理からないところだ。

なお、日高頼子さんのご主人も二科会メンバーの彫刻家だそうで、夫妻展を何回か行っているそうだ。絵画というのは壁に掛ければジャマにはならないが、彫刻はそうもいかない。家の中に飾るのは、なかなか日本の住宅事情では難しい。かといって庭に彫像を置いている家もあまりみない(というか見たことがない)。石灯篭や庭石を置くより趣味がいいと思うのだが。(一体を購入すると、白い木の箱に寝かされて家に届くのだろうか)