明治・大正・ハマの街

2020-06-28 00:00:14 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市歴史博物館で会期変更の結果、現在開催中の展覧会に行く。副題が「新市庁建設地・洲干島遺跡」となっている。



どういうことかと言うと、まず横浜市の市役所を立て直したわけだ。正確に言うと、建て増し。日本で一番立派な市役所ができたわけだ。現在は関内駅の近くだが、一駅ずれて桜木町駅に近い場所に移転。

その建設移転地が「洲干島」と言われる場所だ。「しゅうかんじま」と読むそうだ。いかにも干潟地だったような地名だが、開国後は開発され、洋館などが立ち並ぶ街であった。

関東大震災などで壊滅した場所なので、こわれた建物を片付けて上に建物が再建されたのだが、多くのものが地中に埋められたままになっていた。



そして、結局大開発で地面に巨大な穴を開けたわけで、数多くの発掘物が陽の目を見ることになった。

ビール瓶をはじめ食器類や建材、土管などが発掘されたようだが、パンフレットには書かれていないが、かなりの面積をとって展示されていたものがある。



便器。

さすが文明開化の発信地だ。装飾便器が数多く出展されていた。撮影可だったので、何枚か写してみたが、現代ではあまり見ないような便器芸術だ。

陶器だけでなく磁器製の便器もある。装飾も派手で、早い話が壺や大皿と同じだ。

染付もある。染付古便器と言われるそうで、古便器の芸術性を研究する人もいるそうだ。学会はないそうだが、出版物もあるようだ。

まあ、何を研究するのも個人の自由だが、自分的には抵抗感がある。それも縄文時代の便器なら研究結果は重要な文化発掘だろうが、明治や大正の便器では、なんとなく生臭い感じがある。大腸菌を採集して乳酸飲料を作るとかできるのだろうか。