木下大サーカスに

2022-02-23 00:00:03 | スポーツ
木下大サーカスのテントに入る。もちろん観客としてだ。

そういえば、こどもの頃にはテレビで世界のサーカスというような番組があったが、もうないのだろう。だいたいがピエロ、空中ブランコ、マジックショー、ライオンの火の輪くぐり。芸人の一発芸みたいなのもあった。

そもそもテントであちこちと転戦していくのもプロレスみたいな感じだ。全体に、なんだか怪しい感じがある。昔は、こどもが寄り道して遅く帰宅すると、「サーカスに売られる」と恐れられたものだ。

そして、動物虐待の感じが漂う。美女が布面積の小さなドレスを着たり、マジックショーの時には檻の中で虎の縫いぐるみに瞬時に着替えなければならないとか。

要するに、若干の犯罪っぽい隠微さがあるところが、魅力的なのだろう。

ところが、会場には小学校低学年のような児童が集団でたくさんきていた。中学校にもポスターが貼られている。大丈夫かな?



ショーは曲技からスタート。以前、シルク・ドゥ.・ソレイユを見た時も五輪体操選手のような訓練が必要なのだろうと思ったが、逆にオリンピアンが木下大サーカスに加入することはないのだろうか。特に本人のメンタリティについてだ。スケート選手がアイスショーに出演するのと同じようなものだろうが。

そのあと、マジックショー。消えるマジックが多いように思う。ようするに人間を箱に詰めて箱の外からグサッと刺したり、檻の中の物体が変わったりするわけだ。怪しいマジシャンだが、IOCのバッハ会長に似ている。やっていることも、本当はドーピングで追放したはずの選手やコーチが再び現れる。

休憩のあと、このサーカスの特徴である「シルバーライオンショー」。シルバー世代とライオンの戦いではない。白いライオンたち(5頭)のショー。ネコ科の動物に芸を教えるのは難しいと言われるが、風太君ポーズをとらせたり、輪くぐりがあったり。イルカショーのようにはいかない。ムチとエサで芸を強要する。観客は、「もしかして、言うことを聞かないライオンが怒りをこめてガブっとやったら」と密かに意識下の感情を揺さぶるわけだ。そして、この危ない猛獣を操る男の顔や態度は、なんとんなくウクライナの大統領に似ている。操り外交のハタンだ。

そして最後は空中ブランコ。予想通り、あぶない。(もっとも観客の「アブナイ」は、ブランコからの落下ではなくコロナ感染の方だが。)

なんとなくサーカスの魅力というのは、この隠微さからなのだろう。


ところで世界の三大サーカスと自称しているが、残り二つはどこなのだろう。以前は、リングリングサーカスとボリショイサーカスということだったが、リングリングサーカスは動物虐待とレッテルが貼られ、破綻再建中。ボリショイサーカスは、本来そういうサーカス団は存在しない。ソ連から日本に興行のために来るサーカス団の総称のようなもの。

さらに、シルク・ドゥ・ソレイユもコロナ破綻からの再生中らしい。