視る装置 19~20世紀のカメラの変遷展

2022-02-13 00:00:12 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市はかなり多数の歴史的カメラや写真を所蔵している。開国当初、いくつかの写真館が横浜に開かれたことによる。

横浜市歴史博物館で開催中の『視る装置 19~20世紀のカメラの変遷展』では、今回は様々な用途でのカメラが出展されている。



その中から注目したいのがアマチュア向けカメラ。1888年にアメリカのイーストマン乾板&フィルムカンパニーが「あなたはボタンを押すだけ、あとは私たちがやります」というフレーズとともに発売したのが『ザ・コダック』。黒い箱だ。このカメラの内部には100枚のロール式のフィルムが装填されていて、写し終わった後、カメラごとイーストマン社に送ると、プリントとフィルム装填後のカメラが返送されることになっていた。

その後、フィルムだけを送ればよいことになり、フィルムは各自が装填することになる。ある意味、連発式の拳銃と同じだ。

フィルム問題が片付くと、次は絞りとシャッター速度の自動化が可能になる(1938年スーパーコダック620)。さらに小西六が自動焦点カメラ(1977年コニカC35AF)を発売。



次の用途だが、医療用と軍事用。いわゆる胃カメラ(内視鏡)オリンパスにより1950年に開発され、1964年にはファイバースコープGTF-Aが完成。

胃カメラが人命を救う目的のカメラだとすると、逆に人命を損なうためのカメラが偵察撮影用。ドイツ人が考えたとんでもないカメラは伝書鳩に取り付けられた小型カメラ、シャッターを押すために空気の圧縮装置が使われ、敵地上空に到達する時間にスイッチが入るように空気の量を調整したそうだ。