京都タワーに登る

2016-02-22 00:00:10 | たび
少し前に所要で京都駅の近くに行ったのだが、僅かに時間があまり、駅前の京都タワーに上ってみた。

実は、京都には数えきれないほど観光に行っているのだが、数えきれないほど名所や現代的アートスポットや文化施設がある。しかし、最も簡単に行ける「京都タワー」に上がったことはなかった。なぜかというと「通俗的」と感じていたから。

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要するに、歴史的でもなく、アートでもなく、文化でもなく、国際的でもない。タワーの形もスカイツリーに似ている。つまり京都じゃない、と感じていたから。

実際に、そう思っている人は京都人にも多くいるようだ。

といっても食わず嫌いは克服しようということで、地上30メートルのビルの上に100メートルの高さのタワーが乗っているという、いかにも不安定で不安になる構造物のエレベーターに乗ることにした。

タワーの眺望としては、なかなか快適で、京都の周りの山々を眺めていると、奈良・大阪方面に平地が開けていてその他の方向には険しくはないものの山々が囲んでいる。都が京都になったことを考えると、関西の平らな場所の南の端から北の端に政治の中心地が移動したという1200年以上前のダイナミズムの構造を考えてしまう。

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市内の地回りを続けるという京都伝統の観光パターンに疲れた時に、ここに上って頭を整理するにはいいかもしれない。何本も各方面に向かって並べられた双眼鏡は使用料ゼロ円。たとえば清水寺の眺望は良好だし、アベノハルカスも見える。金閣寺は樹木の影で見えないと書かれている。地元の元代議士が元女性タレントを連れ込んだ自宅も見えそうだが、ここで張り込んでも、人相の特定までは無理かな。

しかし、この双眼鏡だが、身長が170センチ以上の人にとってはなかなか苦痛だ。腰をかなり曲げなければならない。つまり外国人は苦労するだろう。

このビルの上に建つ、100メートルのタワーの構造だが、鉄骨は一本も使われていない。鉄板をストロー状に曲げ、溶接で上に伸ばしている。ちょっと心配だ。煙突だって鉄筋コンクリートで作るのだが。ロケット構造ともいえるが、むしろ似ているのが石油タンクではないだろうか。上の部分より下の部分の方に大きな自重がかかるので、下の方の鉄板の方が丈夫で厚いものを使い、上の方の鉄板は薄くて軽くしなければならない。

石油タンクの場合、万が一火災が生じた場合、横に破裂すると超大惨事となるため、上を弱く作っている。上に向けてボウボウと燃えても、結果として被害は抑えられる。京都タワーの構造だと、土台のビルで火事があった場合、煙突状のタワーの内側を熱気と炎が一気に噴き上げると考えられる。たぶんタワーの上の方が吹き飛び、ガスバーナーみたいに噴き出すのだろうか。

ところで京都タワーの英語表記は、KYOTO TOWERであるが、TOKYO TOWERと似ている。というかKYOTOとTOKYOが似ている。日本人で気にする人はいないだろうが、外国人観光客で間違える人はいないのだろうか。個人旅行の場合、行き先を間違えたりしたら大失敗だ。団体旅行の場合は、東京を見たのに京都に行ったと勘違いしたりして。