丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

2016-02-28 00:00:23 | 美術館・博物館・工芸品
丸亀といえば、神戸の会社なのに「丸亀」を名乗る「うどんチェーン」が有名だが、高石垣が豪快な丸亀城や競艇を思い浮かべる人もいるだろう。ややクラシックなイメージなのだが、丸亀駅の前、徒歩1分に現代美術館がある。地元出身の猪熊弦一郎氏を記念して、建物や広場はコンテンポラリー・アートそのもの。今まで、行こうかどうか悩んでいたのはナビでみるとインターから離れていて駅の近くで駐車場に困りそうだったからだが、何のことはない、駅前の地下駐車場が事実上無料だ。

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当日は、『愛すべき世界』として、4人展が開かれていた。

鷹野隆大 <15.09.24#b16>「毎日写真」より

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「毎日写真」。要するに日常を写すということで、ご近所写真でありながら、たまに旅行に行くとそこでも日常写真を写すということなのだが、私みたいに、しょっちゅうあちこちに行って、ぱちぱち撮影していると、カメラのメモリーの中が、ご近所写真だらけなのだが、困ったな。「毎日写真」を評論できない。


丹羽良徳 <日本共産党でカール・マルクスの誕生会をする>

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「カール・マルクス誕生会」日本共産党のことを肯定的に考えている人なのか嘲笑的に考えているのか、よくわからない。たぶん後者なのかな。マルクスレーニン主義とは言っても、マルクスとレーニンが手を握ったわけじゃない。マルクスの本を読んだレーニンが、「これだ!」ということになっただけで、世界でほぼ唯一となりそうな小さな国の暴走をマルクスのせいにするわけにはいかないのと同様、マルクスのことを知らない人たちが連帯感を保つために誕生会をすることを克明に記録するという逆説になっているのだろう。

余談だが、共産党あるいは下部組織に加わることを「入る」という動詞で表現するようだが、他の政党もそうなのだろうか。


ミヤギフトシ <花の名前>

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「花の名前」正直言って、よくわからない。とても危険な思想的背景を感じたが、気のせいかもしれない。


森村泰昌 <なにものかへのレクイエム(独裁者を笑え/スキゾフレニック)>

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「なにものかへのレクイエム」2007年の作品らしい。ヒトラーをイメージした独裁者が自らの論理を正当化する構造を、二つの映像(よいヒトラーとわるいヒトラー)の対話という形で表現。独裁者の登場が予感される中での抵抗だったようだが、残念なことに独裁者もどきが出現してしまった。


ところで、3月中旬には、作家の一人である丹羽さんが演出する「大人の事情を再演する」というパフォーマンスが予定されていて、映像として小劇を記録するので、その参加者を募集していた。演目は<より若いものがより歳をとったものを指導する>ということで、生徒が教師を指導するということらしい。

外資系企業の中では、ごく日常的なのだが。