ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)

2014-02-24 00:00:23 | 映画・演劇・Video
イタリア映画の良心を見せた作品で、カンヌ映画祭やアカデミー賞なども受賞。第二次大戦敗戦直後の貧しく文盲も多かったイタリアの田舎町の唯一の楽しみだった映画館に、いつももぐりこんでは映画技師に追い出されていた少年トトが、人生に深い悲しみを抱えながら故郷を捨て都会に向かい、ついに映画監督として名声を得る。

映画技師の葬式の報を老母より聞き、数十年振りにもどった故郷ではかつての映画館が取り壊されることになっていた。

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映画ファンの好きそうなエピソードをふんだんに作って、並べ立てるわけだ。ある意味、ストーリーが誰にもわかる展開で、安心して楽しむことができる。

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評判のいい映画なので、あれこれ書くことはないのだが、映画「ひまわり」の中でもそうだったが、トトの父親もイタリアからソ連戦線に参加し、こちらは戦死していた。隣の国ではない国と戦争すると、後であまり複雑な関係にならないようだ。

さらに以外だった点だが、トト青年は軍隊に行っている間に映画館の仕事を他人に奪われるのだが、戦後のイタリアは徴兵制だったのだ。日本のように用心棒を雇えなかったのだろう。

ところで、日本語の題名の「ニュー・シネマ・パラダイス」だが、イタリアでの題名は「NUOVO CINEMA PARADISO」となっていて、英語圏では「CINEMA PARADISO」という題名である。映画の中で、PARADISO館(『天国座』とか言えばいいかな)は、旧館が火事で延焼し、新館がたち、数十年後に取り壊される。イタリア語の題名は新館を意味し、英語の題名は新旧を含む意味だろう。日本語に翻訳する時に英語表現にさらにニューをつけてしまったのはなぜだろうか。世界で一番英語が上手な国民だから、全部、英語の題名にしたのだろうと想像。