TAKESHIS'(2005年)

2014-02-10 00:00:04 | 映画・演劇・Video
北野武監督の作品。ただし、ストーリーは難解で100人中7人しか理解できないらしい。

ビートたけしという映画俳優が自分と瓜二つの北野武という役者志望のオジサンと出会うところから奇妙なストーリーが始まる。つまり監督+同時二役というわけだ。一応、金髪が北野で黒髪がビートということがお約束になっている。

kitano


最初のうちは、フェリーニの『8 1/2』によく似ていると思っていた。監督が自作に出演して自伝的な作品になっている。夢か現実かわからない場面が入り混じっているところも似ている。北野武はフェリーニになるつもりなのだろうかと、疑問を持つ。(なっても一向に構わないが)

beat


実際、脚本は表のストーリーと裏のストーリーが別にあって、それがところどころの接点でつながっていたらしい。そして、おおよそこの二つのストーリーはかなり似ているし、どちらも夢の世界とつながっている。ということで、おそらくは最後に北野とビートが入れ替わった時に永遠に終わらないストーリーと化したのだろう(もしかしたら、その場面は夢の世界の方だったのかもしれないが)。

出演者の中にも、ストーリーが理解できないままに、ビートストーリーの方にも北のストーリーの方にも出演した人も多かったそうだ。撮影も都合により、ぶつ切りになるので、さらに複雑だ。

kishimo


ところで、3番目くらいに重要な役を演じる岸本加世子さんだが、本映画では、かなりの嫌われ役を与えられている。北野映画には最近出演していないようだが、崩れた女を演じるには本人にも限界の線があったのかもしれない。デビューしたころからはかなりの異次元に行ってしまったような気がするし、一般的に言って、「働きすぎ」ではないだろうか。