ハルマゲドン

2011-07-28 00:00:24 | 市民A
近く、ハルマゲドンが来るらしい。といっても、小惑星が地球に衝突するわけでもなく、未知のウィルスをテロリストがばらまくわけでもない。

「金融超巨大恐慌」

サブプライムローンが破綻して、リーマンが破綻して、世界中の金融機関がつぶれかけたものの、公的資金を投入してなんとか大破綻を免れたものの、次なる巨大な大波が現れた。

米国債格下げ。


ところで、最近、空路神戸に行くことがあり、空港から市内に向かうポートライナーの一つ目の駅名に驚いたわけだ。

「京コンピューター前」。読み方は、「けいコンピューターまえ」である。

京を「けい」と読むことを、つい最近放射線の単位に登場したことで知ったのだが、次にコンピューターである。元々、「ポートアイランド南」という無機的な駅名で一日乗降客800名(ということは400人だけが利用ということ)の地味な駅の前に、世界最高速のスーパーコンピューター「京」の入ったビルが建っていたわけだ。例の蓮鈁議員が将来の首相の座をフイにした名言「一番じゃなきゃ、いけないの?」と罵られた物体だ。

世界一になった記念に、この7月から駅名が変わったそうだ。

ただ、世界一思想の是非とは関係がないが、「コンピューター前」という語感は、コンピューターの前にひれ伏す人間というイメージを感じ、やや心穏やかにはなれない。


で、話が横に飛んだが、放射能、スーパーコンピューターにつぐ第三の「京」だが、おカネの話である。米国債を直接的、あるいは間接的に組み込んだ金融商品の残高であるが、サブプライムショックの時もそうであったように全貌を知る人間がいないものの、およそ数京ドルあるのではないかと言われているわけだ。

さらに、米国債はAAAの基準とも言われているわけだし、米国のあらゆる企業体のディフォルト率だって変わってくるし、それらの債権、株価、為替・・・すべてのマーケットが大崩壊する可能性があるということらしい。数十京ドルということらしい。仮にその0.1%の価値が地上から消え去ったとしても100兆ドル(8000兆円)が価値ゼロになるということになる。

で、どうしてそうなるかというと、米国政府の借金上限に関する法律である。現在、14兆2900億ドル(1120兆円)を上限としている法律を改正して、もっと国債を大量に発行しようという法案を民主党が主張しているのに対し、共和党が大反対しているわけだ。しかも、ねじれ国会。法案のタイムリミットは8月2日である。

実際、日本の感覚で言うと、米国経済の3分の1程度なのに、もうすぐ借金1000兆円になろうというのだから、もっと借金に寛容になってもいいのではないかと思うのだが、共和党員はそうは思わないわけだ。

借金を減らす方法は大きく3つ。

1.上限を増やさない
2.歳出を減らす
3.増税する

実際は、1は目標というか結果というか、2と3の結果である。おおむね両党が合意しているのは、上限を少し増やし、一方、歳出を減らし税額を増やして、長期的には借金を増やさないようにしようということ。

そんなことはわかり切っているのだが、問題は、歳出を減らすのは何を対象にするかということで、社会保障費と軍事支出のどちらを減らすのかという点で民主党と共和党は対決している。増税にしても、ブッシュ減税による金持ち優遇措置を続けるのか辞めるのか、意見が分かれている。

つまり、上限を少しだけ増やすということには合意できたとしても、何を節約して、誰から増税するかということにおいて、意見が正反対になっているということである。


ということで、法案成立のめどが立っていないのだが、本当のところは、上限が拡大して
借金が増えた場合と、決裂して新たに国債が発行できすに強制的に公務員に給料が払えなくなる場合と、どちらがの場合が国債格下げになるのか、ということすら明確ではないことかもしれない。


西部劇の昔から、米国人はチキンレース的決闘が好きなので、結局はなんとかなるのかもしれないが、現大統領の片方の先祖は西部劇の頃のアメリカには住んでいなかったわけだ。