将棋に飽きた棋士

2011-07-09 00:00:50 | しょうぎ
最近、読んだ本で、作家高橋三千綱氏による「われ本日ゴルフに開眼す」というゴルフエッセイがある。1993年の上梓で、高橋氏が十二指腸潰瘍で胃の3/4を取ったことから始まり、体力回復のためゴルフを本格的に始めたことが書かれている。

ouchigolfその中に、彼が何人かの各界の有名人とゴルフ対決をする企画があって、渡辺貞夫とか神和住純とか並んで、将棋界の当時のゴルフナンバーワンだった大内延介氏との対局(いや、対決)が記されている。


ところで、大内氏といえば、名人戦で大ポカを演じ、掌の中に入りかけていた名人位を取り損ねたことが有名で、もちろん作家もそれを知っている。ということで、どうも遠慮して将棋の話を切り出せなかったようだ(それなら棋士と回る企画自体が変だけど)。


そして、やっとの思いで、ゴルフを始めたきっかけについて聞くと、「将棋はもう飽きました」と言わせている。あれあれだ。「会社の仕事に飽きたのでゴルフを始めました」というのと同じだ。また、ゴルフの他にも「旅」が大好きなようだ。

そういえば、十年以上前に、千葉県船橋市の奥の方にある「Kカントリー」でプレーしたことがあるのだが、メンバー用のロッカーの名札に大内延介と書かれているのを見たことがある。実は、このコースには、「やっ」というような人たちが多いとも言われ、キャディさんから、前の組と間隔を大きくあけた方がいい、とか注意される。あるいは後続の組から、「前の組は、やっ、に違いない」と勘違いされ、前後どこにもプレーヤーが見えなくなったりするわけだ。

そう考えると、成田空港の航空会社のカウンターで、自分が遅刻して乗り遅れたのに、腹いせに社員を殴って捕まった棋士のことも、合理的な説明ができるような気がする。海外ゴルフでも計画していたのかもしれない。


さて、6月25日出題作の解答。

56

▲2四金 △同成銀 ▲2二銀不成まで3手詰。

いかにも、簡潔。

では、なぜ、2五にいるのが、成銀なのか、ということだが、と金なら意外性なし。金なら取って詰む筋が生じる。成銀の場合、成銀を取り再利用すると、詰みそうになるも詰まないから配置してみた。ちょっとはずした感じもある。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。




入玉型だが、入玉とは関係ない筋。本当はもっと上の段に置きたかったのだが余詰めを防ぐために、下に下にとずらしていたらどん詰まりになった。わかったと思われた方はコメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。