ウクライナ政権崩壊か?

2008-09-04 06:54:29 | 市民A
大統領派と首相派(国会の多数派)の大連立でなんとか国政を運営していたウクライナの大連立が崩壊したようだ。連立の期間は約1年。

議会が大統領の権限を制限する法案を可決し、大統領は議会の解散を宣言。憲法で選挙後1年以内の解散は認められないので、9月末の総選挙か。


ロシアが、”絶好のチャンス”と、クリミヤ自治共和国の独立を狙えば、さらに黒海情勢緊迫化は明白。

クリミヤはウクライナから黒海の中にポリーブ状に突出した地形から、ロシア海軍の最重要基地がある。

ちょっかい出すなら、日本海に突出した半島の方を頼みたいところだけど。

『虎撃ち』の「怖~い」裏読み

2008-09-04 00:00:08 | 市民A
日本ではあまり報じられなかったが、プーチン首相の『虎撃ち』がEU方面では話題らしい。

ただ、報道によって若干、ニュアンスが異なる。

CNNジャパン


プーチン首相、お忍びで「トラ狩り」、極東で麻酔銃手に麻酔銃を構えるプーチン首相

麻酔で眠るトラへ発信機装着を手伝うプーチン首相モスクワ(AP) ロシアのプーチン首相がお忍びで極東地域に赴き、トラ狩りしていたと、同国の国営テレビが9月1日に伝えた。麻酔銃でシベリアトラの5歳メスを撃ち、追跡調査用の機器を装着する手伝いを行った。

テレビ映像には、山奥に分け入って横たわったトラの横で、発信機装着に協力する首相が映っている。

ロシアから中国にかけて生息する、世界最大のシベリアトラは、環境破壊や密猟などが原因で個体数が減少しており、野生の数は現在、400頭未満と見られている。

ロイター


プーチン首相、トラの襲撃からカメラマン助ける
9月1日14時29分配信 ロイター

[モスクワ 31日 ロイター] ロシアのメディアは31日、プーチン首相(55)が、野生のアムールトラの襲撃からテレビ局のクルーを助けたと報じた。同首相は、研究者らによる野生のトラの監視方法を視察するため、国立公園を訪問していたという。
同国の主要テレビ局によると、プーチン首相はわなにかかったアムールトラを見るため、野生生物の専門家たちと一緒に現地に到着。その際にトラが逃げ出し、近くにいたカメラマンに向かって走ってきたが、旧ソ連国家保安員会(KGB)出身のプーチン首相がすばやく麻酔銃を打ってことなきを得たという。
プーチン首相はその後、トラの歯の計測や、首の周囲に衛星発信機を装着する仕事も手伝った。


97d06f04.jpgお忍びで虎を撃ちに行ったのか、偶然、暴れる虎に遭遇して、おもわず、KGB時代の訓練の成果を発揮したのかわからないが、プーチンが虎を保護している国立公園に行ったことは事実である。

しかし、グルジアがあんなことになっているのに、気の短い新大統領にモスクワを任せておいて「虎撃ち」に行ったりしていいのだろうか、とはロシア国民のみならず外国からみても奇異に感じる。実際、何だったのだろうか。


ヒントは、この前日の彼の行動。国立公園の近くの石油パイプライン建設現場を視察していたということである。そして、もう一つのヒントは、このシベリアトラ。シベリアトラというのは別名、アムールトラといって生息地は沿海州の周辺である。ロシア、中国、北朝鮮の国境近くである。つまり日本のすぐそば。

それで、わかってくるのが、建設中の東シベリアの原油パイプラインの最終向け先。中ロ間で完結するのか、あるいは太平洋岸(沿海州)まで到達するのかということ。一説では、ロシアは中国に対し、今まで中国が払っていたタンカー運賃と同額のパイプライン使用料を要求して紛糾しているようだ。外洋までパイプラインを延長することによって、中国に対して「嫌なら別の会社に売るからいいよ!」とさらに圧力をかけることができるわけだ。

特に、EUや中国がロシア領土を通らないグルジアやウズベキスタンのパイプラインにこだわっているため、間違いなく、東側に新規パイプラインを作りたいのだろう。

そして、もう一つは、今までその量も質も秘密に包まれていた東シベリア各地から産出される原油が、市場に登場してくる可能性があるということである。

プーチンがトラの保護センターを視察したのは、パイプライン予定地区が希少動物であるトラの生息地と重なっていて、欧米から「パイプライン計画の凍結」の横槍が入らないように、事前調査をしていたに決まっているわけだ。


ところで、日本では、「姫の虎退治、ならぬプーチンの虎退治」とか「プーチンの麻酔銃と麻生太郎のクレイ射撃は、どちらの腕が上か」など、まったく話題が危機意識ゼロである。


本来、思わぬ原油価格の高騰で不労利得が貯まっているはずのロシアが、さらに原油で金儲けしようというには、特段の理由がある、と考えるべきだろう。

最も費用がかさむ国家的事業は何か?と考えれば、少しは想像できるのではないだろうか。

あるいは、単に「シベリア温暖化計画」?