総理・総裁辞任!

2008-09-02 00:01:44 | 市民A
思えば、安倍首相よりも短かいわけだ。もっとも戦前・戦後を通じて2年以上首相の座に座ったのは数えるばかりだから、特別短いということでもないのだが、これで麻生氏になるとするなら、1年前の総裁選は何だったのだろうか。

辞任に至った直接的原因は、

1.補正予算が決定するまでのプロセスの党内対立が収拾できない状況になった。
  財政再建派、大型予算派、上げ潮派

2.公明党の態度が厳しくなり、政策を制約されるようになった。

3.度重なる農水大臣の不祥事

といったところだろうか。あるいは、次なる問題の露見が近づいていたとか。


しかし、ついにヴィジョンのわからないままに終わったということだろうか。自民党議員にしても、総裁に選んでおきながら、1年も経たないのに、足を引っ張るというのはどういう了見なのだろうか。この前の内閣改造で入閣された大臣の方々は、さぞガッカリのことと同情してしまう。果たして、次期政権では「消費者庁」は存続するのだろうか。

アンパンマンパンの諸行無常

2008-09-02 00:00:08 | あじ
1e7bf3c3.jpg「アンパンマン」は、日本のこどもの世界では、「ネズミさん」より人気があるのは確かだろう。いや、こどもだけではなく、もっと歳が上でもネズミさんより人気が高いのかもしれない。歳が上になるにつれ、アンパンマンからネズミさんに人気は移っていくのだろうが、案外、大人でもアンパンマンの方が人気があるかもしれない。なにしろ、国産品である。

しかし、国産といっても、ドラえもんは中国にニセ者があらわれたりするのだが、アンパンマンはなぜ、国際化しないか?

その最大の理由は、「『アンパン』は日本にしかないから」だろう。

日本のアンパンの起源は、銀座の木村屋と言われるが、しかし、実際に製造が非常に難しいというものでもないのではないだろうか。細かな技術はともかくとして、醗酵したパン生地の中に餡をつめて、焼くだけのような気がする。クリームパンでは、熱を加えるとクリームが変質する可能性があるが、餡は、元々加熱製品。

というよりも、欧米では、パンは肉と一緒に食うもので、餡と一緒に食べることが、ありえないのだろうか。欧米人が日本名物のアンパンに対してもつ偏見は、関東人が名古屋名物の小倉トーストに対する違和感と同様なのだろうか。

アンパンに似ている形状の料理としては、ロシア料理のピロシキがあるが、「ロシアは欧米ではない」ことを証明する事件も最近起きている。また、アンまん、肉まんという日中合作風の食品もあるが、中国本土の饅頭(マントー)には、何も入っていない。


ところで、「アンパンマン」ではなく、「アンパンマンパン」の話。

なんとなく、奇妙なめまいを感じる商品が、この「アンパンマンパン」である。

まず、「アンパンマン」というキャラクターは、「アンパン」という食品に「禁断の生命」を与えるというファンタジーの世界があるわけだ。

リアルの世界をフィクションの世界に置き換えるわけだ。

まあ、小説でも、映画でも、もちろん漫画の世界でも、童話でも、ごく一般的な話だ。日常的なものを非日常化する。また、フィクションの世界は、それ自体の世界の内側で完結するはずだ。恋愛小説の結末は、最後のページにきちんと書いてあるはずで、決して「六本木のホテルから、深夜、風のように立ち去った彼女の運命は、あなたが明日会社に出勤したらわかるはずだ」ということにはならない。

ところが、アンパンマンパンは、もともとリアルな世界のアンパンを虚構化して、アンパンマンという正義の味方のヒーローにした上で、もともとのリアルなパンの世界に戻しているわけだ。しかも、正義の味方だって、頭から(というか頭しかないが)食べてしまうことができる。一体、リアル?フィクション?イリュージョン?

あまり同様の事例が思い浮かばないのだが、ゲームのやり過ぎで秋葉原にクルマで突っ込むとか、ポルノを読んで興奮して性犯罪に走るとかが、そういうことなのだろうか。

あるいは、恋愛小説のような展開で結婚したものの、実生活で破綻、気がついたら、夫の頭部をバッグに詰めて、郊外に向う私鉄電車に乗っている自分に驚く、とか。

あまりにもアンパンマンの世界からは遠いようにも思える。

1e7bf3c3.jpg「ところで、8月31日の朝日新聞朝刊の書評欄に、「アンパンマン」の作者である漫画家のやなせたかしさんが、「アンパンマンはフランケンシュタインを読んで考えついたキャラクターである」という衝撃の告白が書かれていた。

生命を吹き込むということだろうか?内緒にしておいた方が良かったのではないだろうか。